朝6時、期待を込めてカーテンを開けたが、予報通りの雨模様。
まぁいいか、と独り呟きながら朝風呂に浸かり、タップリの旨い朝飯を喰う。
ちなみにこの宿は「うに椎茸」をプッシュしているようで、土産物コーナーでも一等地に陳列されているのだが、私はウニも椎茸も喰えない(涙)。
チェック・アウトを済ませ、小糠雨の中、幌を掛けたままのボクスターで若狭の宿を後にした。
R27は小浜の中心部を抜けると交通量が減り、R303へ右折すると更にペースが上がる。
道の駅「若狭熊川宿」でトイレ休憩、すぐそばにある旧い街並みにも寄ってみた。
気がつけば雨は止んでおり、いつの間にか幌も乾いていたので、ルーフを開けて旧街道をゆっくりと走る。
復帰したR303は、R367/鯖街道への分岐を過ぎるとほぼ無人の走り放題となった。
諦めていたオープン・ドライブが思いがけず叶い、オッサンは極めてゴキゲンである。
琵琶湖に出て湖岸を北上し、湖を臨むいつもの場所で小休止。
自衛隊の演習場から轟く砲音が止むと、辺りは静寂に包まれる。
今日は垂れ込める雲が対岸を覆い隠し、空と湖面との境界線を完全に消失せしめてはいたが、ここは何度来ても本当に気持ちがいい所だと思う。
K357に入ると人家はなくなり、マイペースでのレイクサイド・ドライビングが炸裂する。
そのままの勢いでテクニカルな屈曲路の奥琵琶湖パークウェイに突入しようと思ったら、冬季通行止めのゲートに阻まれた。
柵の向こうから軽トラに乗ってやって来た管理の方と思しきおじさんによれば、今年は雪が少ないので例年よりも早く開けるとのことであるが、それもまだ一週間先の話だ。
仕方ない、いずれまた走りに来ようと心に決めつつ、その先の菅浦集落でUターン。
来た道を、来た道以上のペースで戻っていった。
大型トラックなどで混雑する木之本の街を脱し、R303で滋賀/岐阜県境を目指す。
交通量は一気にゼロとなり、豪快な二車線路を4速メインで走りまくる。
15度ほどあった気温は標高に従い5度まで下がり、周囲の山々や沿道には大量の雪が残ってはいたが、路面には影響なく普通に走ることができた。
しかしながら県境のトンネルを抜け下界が近づくに連れて雨が降り始め、無念のルーフ・クローズ。
と言ってもボクスターの走りには何も影響はなく、乾いたボクサー・サウンドをスノー・シェッドに響かせて、横山ダム湖沿いのワインディングを軽々とクリアしていく。
いやはや、実に良く走るクルマだとつくづく思った。
K40へと左折、華厳寺の参道に迷い混んだりしながらも楽しく走り続け、K79→R256と結んで本日の宿に到着した。
それなのに、いわゆる当日割引でバス&トイレつき12畳の部屋に朝食つき7,500円で泊まれるのだから、本当にありがたい。
ひとっ風呂浴びてから、傘を借りて飯を喰いに住宅街へと歩く。
「日乃出食堂」の肉天ぷら定食は、カリッと揚がってフワッと柔らかい肉天が実に旨い。
量的にも結構なボリュームで、ごはんは丼飯、肉天も山盛りなのに加え、驚くことに付け合わせのスープさえも丼サイズ。
トロトロの溶き卵とレタスが入ったスープはとても旨いのだが、どう見ても皆で取り分ける別注の単品料理かと思わされる量なのである。
腹痛寸前まで喰ってから宿へと戻り、寝る前にもう一度風呂へ。
雨の音を聴きながら茶褐色の温泉が満たされた半露天風呂に浸かり、明日以降も雨との予報が外れることを切に願いつつ、布団に潜り込んだのであった。
つづく。