朝の伊勢湾岸自動車道はクルマが多く、東名阪自動車道は毎度おなじみ四日市ICや鈴鹿IC付近が渋滞中。
しかもボクスターの幌を下ろすべく御在所SAに入っているうちに事故が発生、通過に30分ほどかかることとなる。
が、追突事故現場を過ぎればマイペース走行が復活、伊勢自動車道/勢和多気ICからR368に出てハイオク・ガソリンをチャージした。
山間のR166を西へ、文字通り快走する。
三重県から奈良県に入り、静かな東吉野村を抜けてR169に出た。
今日は前回・
12月に走った海沿いではなく、山のルートで紀伊半島を南下するのだ。
ダイナミックな山間のR169を、アクセル開けてひた走る。
空は快晴、気温は10度を超え、春の香りを含んだ空気が実に気持ちいい。
2年前と同様、池原ダムで小休止。
陽射しのおかげでとても暖かく、ボアのついたジャンバーを脱ぎ捨てた。
ここから尾鷲方面へのR425が崩土のため通行止めとなっているのも2年前と同じで、実に安定している(笑)。
昼時となり、腹も減ったので、地元の人で賑わう下北山村の定食屋「花川」で弁当を買う。
注文してから作ってくれるので、ご飯はホカホカで揚げ物はアツアツだ。
太陽を背に、550円とは思えないクオリティの弁当を池の見えるベンチで喰った。
実に幸せだ。
ここから「酷道」425号線で久しぶりに十津川までのアドベンチャーを堪能しようと思ったら、時間帯通行止めで再開は1時間後と判明し、断念。
R309との併用区間を離れ、R169は七色ダムを越えてさらなる山奥に入っていく。
激細クネクネだったかつての瀞峡ルートは完全にバイパス化され、その前後も訪れる度に改良が進んでいる。
マニュアルが減ってオートマ車だけとなるように、ノスタルジックな屈曲路はすべて長大なトンネルと高架に取って代わられ、いずれ消え行く運命にあるのだろう。
走れるうちに走っておかねばならないな、と改めて思った。
R168で本宮に向かい、
熊野本宮大社に参詣する。
旅の無事を祈ってからおみくじを引くと、見事に大吉である。
が、肝心の旅行運は「盗難に注意」と出ており、思わず周囲をキョロキョロするのであった。
その足で、大水害による移設前の本宮大社があった
大斎原[おおゆのはら]にも立ち寄る。
日本一と謳われる鳥居は本当に巨大で、見上げているうちに首が痛くなった。
本日の宿は、川湯温泉の「
山水館 川湯 まつや」。
ビジネスホテル・スタイルのシングル・ルームだが、系列の旅館のメシと温泉がついて7,500円と破格である。
3ヶ月前と同じ川湯温泉に宿を取ったのは、巨大な観光温泉プール「
仙人風呂」が2月末で終了しており、元の静けさが戻っているだろうと考えたからだ。
明るいうちに到着した宿に荷を置いて川原の小さな露天風呂まで歩き、水着の外国人が出ていってから入ってきた5名ほどの皆さんと、楽しく温泉談義を繰り広げる。
スコットランドから10年以上前に日本へ移住してきたというおじさんに、なぜ外国人は温泉に水着で入るのかと訊いてみたところ、そもそも他人同士で風呂に入ることなど無いとの由。
「モウナレマシタ」と笑うスコットランドおじさんは我々と同様スッポンポンで、更にタオルをねじり鉢巻にしているのであった(笑)。
宿の露天風呂にも浸かり、ビール片手にバイキングの晩飯を片っ端から喰い倒して、再び川原の露天風呂へと赴く。
先客の若い6人組は、浜松から一人一台のクルマで紀伊半島ツーリングにやって来たのだそうだ。
いやはや素晴らしい、控えめに言っても最高である。
持参したランタンを引き上げて先に出ていく彼らを見送って、静寂と頻闇とが戻った露天風呂。
独り見上げた熊野の夜空には、無数の星が輝いていた。
つづく。
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・・・ってな感じで、春の訪れと共にツーリングへ行って参りました。
例によってオッサンの独り旅をアップしていきますので、よろしければおつき合いください!