K513/奥琵琶湖パークウェイは、途中の大駐車場から先が一方通行となるワインディング・ロード。
対向車の心配をせずに、アップ&ダウンを繰り返す屈曲路を存分に楽しむことができるのだ。
下界のセブン-イレブンでホット・コーヒーとチョコマフィン、ベイクドリングを買い込み、快晴の琵琶湖でロッドを振るアングラーたちを眺めながら喰った。
同じ場所でルアーを投げているのに、釣れる人と釣れない人がいるのがおもしろい。
ハイオク・ガソリンをチャージし、R303で山の中へと向かう。
何度か走っているが、この道は交通量も少なく本当に気持ちがいい。
ほぼ完全な2車線路で山間を豪快に走り、滋賀/岐阜県境を越えてその先はダム湖沿いのチャレンジングな屈曲路となるのだ。
20年ほど前にBMW M3で初めて走った頃は、ガード・レールもロクにない、狭く険しい山岳路が延々と続いていたことを覚えている。
月日は流れているのだな・・・と想い出に耽りつつ、ステアリングを繰った。
今日は、市街地を避けて東へ東へと走る。
ツーリングマップル・中部北陸版を参照しながら、楽しい道を択んで走り続けるのだ。
R303を離れ、K40→R157→K79→K91→R418→K196→R256→K81と小刻みに結ぶ。
東西を貫く良さそうな一本道が無いためこのようなオペレーションとなるのだが、いずれもローカルな国道や県道群で、ほぼマイペースで気持ち良く走ることができるのがありがたい。
美濃市内で小休止、パーキングにボクスターを駐めて、「
うだつの上がる街並み」を歩く。
良い雰囲気の通りには旨そうなぜんざいを売る茶房などもあったが、朝食に甘いドーナツやマフィンを喰ったことを思い出し、ガマンガマン。
引き続き、晴天のカントリー&ワインディング・ロードを東に走る。
K80で小さな峠を越え、K58→K64をマイペースで走ってR41に出た。
今日は土曜日、恐らく高山へと向かうのであろう多くのクルマやバイクにつき合わされたが、白川町からのK68で前が空き、再びアクセルを開けて風を切る。
進路を譲ってくれた3台のツーリング・バイクに全開加速をしながらハンド・サインで謝意を伝えると、彼らも手を挙げて応えてくれた。
いやもう、素晴らしく嬉しいではないか。
その先、峠の九十九折を下ったところに蕎麦屋の看板を発見し、急停車。
「そば酒房 山びこ」は地元の方々と思しきお客さんたちで賑わっており、食事が供されるまで少々時間がかかったが、鶏南蛮汁のつけ蕎麦は大変に旨い。
薬味に柚子胡椒を出してくるあたり、わかっているな、と思う。
腹も心も満たされたところで、ドライブを続けよう。
恵那の街を抜け、K407からR363へと走る。
「
農村景観日本一」と銘打った展望台があったので、初老の足腰に鞭打って急な階段を上ったが、快晴下にもかかわらず景色は普通・・・。
急な階段の下りでは膝が痛くなり、体力の無さと体の弱さを文字通り痛感しながらボクスターのドアを開けたのであった(涙)。
R257を快適に南下し、R418で川沿いの1-1.5車線路をトレースしてゆく。
関東ナンバーの青いオープンカーは明らかに迷い込んだと思われたのであろう、離合困難箇所で地元の方々に何度となくバックをさせてしまい、その度に申し訳無い思いと感謝の気持ちを込めて礼を申し述べた。
長野県に入ってR153との交点である平谷を過ぎると、R418は一転、明るく広い2車線路となる。
美しい景色の平谷峠を越えて、急勾配のダウンヒル。
ボクスターのリア・タイヤは今回のGTでスリップ・サインを大きく割り込んでいるため、グリップを喪ったりしないようブレーキングに気をつけて走る。
売木からK447で愛知県境の新野峠を目指すが、国道との合流でいきなりの全面通行止めに出くわした。
この山奥から戻らなくちゃいけないのか・・・と一瞬途方に暮れたのだが、迂回路であっさりとR151の新道に出、無事に峠を越えることができた。
ツーリングマップルにはもちろん、10月度に更新したばかりのカーナビ・データにも、Web上のマップ・サービスにもまだ反映されていない情報ではあったが、 これらはやはり参考に留めておくべきで、道はやっぱり「行ってみなくちゃわからない」ということをつくづく実感させられたのであった。
「←温泉」の看板に誘われ、国道を外れたところにある温泉施設「
湯~らんどパルとよね」に立ち寄る。
ヌルッとしたいわゆる美人湯系で、大いにリフレッシュすることができた。
休憩所の畳でゴロゴロしていると時刻は17時前、窓の外はどんどん暗くなってきている。
休暇はあと1日あるのだが、少々逡巡した後に今日はこのまま帰路に就くことにした。
しかしJARTICの道路交通情報を確認すると、週末夕刻の東名高速道路は例によって大和トンネルを頭にアホの大渋滞。
しかもその中で更に事故が発生しているらしく、渋滞は秦野中井ICを越えて伸びているではないか。
バカバカしくてやってられないので、渋滞が鎮まってから帰ろうと、再び畳の上に寝っ転がった。
R151を南下、無料の三遠南信自動車道を経由して、浜松いなさJCTから新東名高速道路へ。
交通量は少ないが、いつものペースで走ると東名のアホ渋滞に突入してしまうため、走行車線をゆっくり走った。
軽自動車、コンパクトカー、大型セダン、ワンボックス車、スポーツカー、長距離トラック、観光バスと、様々なクルマやバイクが追越車線を走ってゆく。
中にはテールにビタッとつけてからわざとらしくグイッと抜いていくようなクルマもいたが、当のボクスターはガンジーもビックリの無抵抗主義だ。
晩飯を喰おうと、浜松SAに立ち寄る。
浜松と言えば餃子と言うことで、「
石松餃子」の餃子15個定食を喰ったが、皮は薄く柔らかく、野菜多めの餡はジューシイでとても旨い。
本線に戻り、7割ほどまでに太ってきた月を見上げながら、再びのんびりクルージング。
GT初日、高知城址から眺めたのは美しい三日月だったことを思い出し、改めて旅の終わりを感じながら走り続ける。
駿河湾沼津SAでホット・コーヒーを飲んでいると、ようやく渋滞が解消したとの情報。
よし、と小さく呟いてボクスターをリスタート、スポーツ・モードのスイッチをONにして、ハイウェイへの流路を全力で加速していった。