小雨のパラつく首都高速道路を抜けて東名高速道路に入り、6速3000回転レベルでのんびりと走る。
御殿場JCTでは引き続き東名を選び、直進。
新東名高速道路のほうがスムーズなのはわかってはいるが、深夜から早朝はトラックやバスが多いので嫌いなのだ。
目論見通り東名は空いており、海や山を眺めながらエンジンを4000rpmペースに引き上げてクルージングしているうちに夜が明けてきた。
雲は消え去り、素晴らしい秋の青空が拡がっている。
伊勢湾岸自動車道から渋滞一歩手前の東名阪自動車道を抜け、新名神高速道路に入って
甲南PAでモーニング。
外のテーブルでホット・コーヒーを飲みながら、クロックムッシュとベーコンポテト・バゲットを齧る。
朝っぱらからカロリー全開、これじゃ太るのは当たり前だ。
10年ほど前から、数日間かけて走るクルマ旅のことを勝手に「グランド・ツーリング」と呼んでいる。
以前はある程度事前にルートをプランニングし、各宿泊先を予約してから出発していたのだが、最近はいきあたりばったりの旅がおもしろい。
今回は中国&四国地方を巡ろうと思ってはいるものの、本日の宿さえ決めていない無計画っぷりである。
腹を満たしたところで、ボクスターの幌を下ろして本線に出た。
天気晴朗なれど風は冷たく、今シーズン初めてダウン・ジャケットに袖を通している。
大阪近郊のややこしい高速道路網を、渋滞を避けつつ無事に通過し、輝く海を眺めながら明石海峡大橋を渡る。
交通量僅少のハイウェイを終始マイペースで走り続け、鳴門北ICでとりあえず四国に上陸。
時刻は11時半、昼飯に「
いのたに」で生まれて初めて徳島ラーメンを喰い、駐車場で「
ツーリングマップル 中国・四国」を開いて今日これからを考えた。
それでは西へ向かおうと、幹線道路のR55で徳島の街を離れてからK16→K22→K28と走ってK19へとスイッチ。
清流に沿った広狭混在のワインディングで、ボクスターのハンドリングを堪能した。
その先のR195は、個人的に大好きな道のひとつに数えている快速道路。
町も人もクルマもバイクも少なく、適度に曲がり続ける素晴らしいロング・ドライビング・ロードである。
今回は災害の影響か、一部区間をR193や町道などで大きく迂回させられることになったが、それを差し引いても実に楽しく走ることができた。
県境の四つ足峠トンネルを抜けて徳島から高知に入り、物部川に沿ってR195を走り続け、下界に出たところで小休止。
今日の宿を高知市内に取ることに決め、「
じゃらんnet」で検索し予約を完了させた。
このような予約サイトの機能拡充が、いきあたりばったり旅を可能にしてくれているのだ。
路面電車に注意しながら混雑し始めた高知市内を走り、「
サウスブリーズホテル」に到着。
ここは昨年に続き2回目の宿泊、当日割引ということで、シングルの料金でツイン・ルームをありがたく占有させてもらった。
夕刻、路面電車に乗って
高知城へと向かう。
開門時刻を過ぎてはいたが、階段をヒイコラ上って天守閣の真下まで来た。
残照の空に、氷のように尖った三日月が宵の明星を従えている。
本当にいい月だ、今回の旅もきっといいものになるだろう。
フラフラと宿まで戻り、大浴場でサッパリしてからホテルに併設された居酒屋「
食彩うふふ香一点」へ。
外へ出て喰おうかとも思ったが、風呂上がりに浴衣のままで飲み食いできるのは実に大きなアドバンテージだ。
生ビールにポテトフライ、四万十鶏の唐揚げなど、どれもこれも実に旨い。
が、これまたカロリー炸裂、やっぱり太るのは当たり前だ(汗)。
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ということで、これからグランド・ツーリングの記事が続きます。
例によってオッサンが独りで走ってるだけなのですが、おヒマであればどうぞおつき合い下さい!