C2の長いトンネルを抜け、西新宿JCTで速度が落ちたところを見計らってルーフ・オープン。
バフッ、と音を立ててキャビン内の気圧が変わり、まだ冷たい朝の空気が一気に流れ込んできました。
梅雨とは思えないような晴天にテンションも上がりますが、今日の中央自動車道は朝6時から相模湖IC付近をアタマとする大渋滞の予測が出ています。
そんなもんに巻き込まれたらグニャチンとなること必至ですので、スポーツ・モードにセットしたボクスターのスロットルを更に開けて走りました。
中央道をノン・ストップで走り続け、諏訪南ICでアウト。
広域農道/八ヶ岳エコーラインは交通量も少なく、サイド・ウィンドウも開け放ってマイペースで走りました。
茅野の街を抜け、R152/大門街道を白樺湖に向かって駆け上がっていきます。
この道はメジャーな観光ルートで、黒煙炸裂の観光バスにドライブを阻まれることも多々あるのですが、まだ時間が早いためか今日はまったく誰もいません。
新調間もない
ピレリ・P ZEROがアスファルトを噛み、シフト・ダウンされたボクスターはイン・リフトすることもなくタイトなコーナーをクリアしていきました。
白樺湖を過ぎてビーナスラインに入っても交通量は僅少、梅雨時とは思えない18℃の爽やかな風を受けて快走。
車山高原で小休止し、家から持ってきた栗饅頭を青空の下で喰いました。
いや~、気持ちいいですねぇ。
虫だらけのフロント・ウィンドウをキレイに拭いて、リスタート。
徒[いたずら]に飛ばすこともせず、拡がる景色を楽しみながら、オープンカーで本当に良かったと思える高原ドライブが続きます。
で、次のパーキングで小休止していると、後から入ってきたホンダ・S2000のドライバーさんの白い歯がキラリ・・・。
あれれ、クルマ仲間の
Sho-zさんじゃないですか(笑)。
訊けば、彼もまた好天に誘われてビーナスラインを走りに来たとのこと。
こんなところで遭うとはビックリ!・・・と言いたいところですが、彼は毎週末あちこちでS2000を走らせまくっているようですから、今まで遭わなかったことのほうが不思議だと言えるかもしれません、逆に。
またどこかで遭うでしょう、と笑いながら、友達と待ち合わせていると言うSho-zさんと別れました。
ちなみにこの後、ビーナスラインを爆走する彼のS2000とは2回ほどすれ違うことになります(笑)。
霧ヶ峰から先、2台ほど安全にオーバー・テイクさせていただくと、以降は本当に誰もいなくなりました。
晴天、中速ワインディングのスカイラインを、屋根を開けて自分が決めたペースでひたすら走り続ける楽しさったらありません。
で、片側交互通行の法面工事現場で信号待ちをしていると、後ろから爆音のロータス・エリーゼがやってきました。
その先の直線で道を譲ると、エリーゼはパンパンッ!とエキゾーストを炸裂させてボクスターをブッコ抜いていきます。
よーし、オレも頑張るぞっ!とスポーツ・プラスのスイッチを入れ、そのテールを見失わないよう必死こいて走りました。
どうやらエリーゼのドライバーさんはボクスターを引き離さないようにコントロールしているらしく、前を塞ぐクルマの処理にモタついている私をペース・ダウンして待っていてくれたりします。
そのまま終着の美ヶ原高原まで一緒に走り、楽しかったですねぇ!と笑顔でドライバーさんとお話をさせていただきました。
いいんですよねぇ、こういうの(笑)。
標高2,000mから仰ぎ見る太陽は暈[かさ]を被ってはいましたが、まだまだ天気が崩れることは無さそうです。
もう少し、ボクスターを走らせてみましょうかね。
K464で、ダウンヒル。
一部路面の荒れた急勾配の屈曲路ではあるものの、途中には白樺林などもあって気分よく駆け下っていくことができます。
K62との交点、右に行けば上田の市街地へと出ることができますが、左折して再び山の中へ。
先行車にも対向車にも会うことのない、蝉が鳴く初夏の森の中を、ボクスターは独り上っていきました。
それにしても、山の緑は本当にキレイです。
眺めているだけで、視力が良くなりそうな気がしました(笑)。
やがて稜線に飛び出すと、眼前にはそれまでとはまったく異なる景色が拡がっています。
久しぶりにやってきた王ヶ頭への道は、行き止まりとなっているために最終の駐車場でUターンを余儀なくされるものの、天空の高原地帯を貫き伸びる素晴らしいシーニック・ロード。
高めのギアを択んでノンビリと走り、実に爽快なクルージングを楽しみました。
下界へと繋ぐ美ヶ原林道で再び森の中へと突入、箱根の椿ラインを髣髴とさせるテクニカルなコーナー群を右に左にクリアしながら下っていると、気温がぐんぐんと上昇してくるのがわかります。
すっかり腹ペコとなったため、昼飯を求めて北上。
高瀬川に沿うK306は、並行する他の国道や県道よりも圧倒的に流れが良く、緑の山と田畑の風景を横に見ながら快適に走ることができます。
信濃大町駅近くの商店街にある「
昭和軒」はソースカツ丼が旨い、とツーリングマップルにありました。
先客が頬張っていたロースのカツ丼も旨そうだったのですが、ここは奮発してヒレカツ重をオーダー。
甘辛いソースが絡んだヒレカツは分厚いのにめちゃめちゃ柔らかく、量もタップリで味も文句のつけようがありません。
旨いソースカツ丼というだけでなく、「旨い肉をたらふく喰ったった!」的な大満足感に満たされて、独り笑顔で店を後にするのでした。
気温は30℃、夏のような陽射しに顔や腕がジリジリと焼けてゆくのを実感しつつ、更にボクスターを走らせます。
木崎湖でR148と別れ、小熊山林道をトレースしてみることにしました。
涼やかな森の中の1.5車線路はガードレールもロクに設置されておらず、路面の段差や落石にも注意が必要ではありますが、特に酷い道というわけでもありません。
他に誰も走っておらず、樹々の間から北アルプスの大きな山が見えたりして、とてもいい雰囲気の舗装林道だと思いました。
やがて行く手が明るく開け、パラグライダーのテイクオフ・ポイントが現れます。
広い空をバックに緑の山々が連なり、眼下には木崎湖が静かに水を湛えていました。
そんな風景に向けて、今またパラグライダーが飛び立ってゆきます。
恐ろしくて私にゃとてもマネできませんが、本当に気持ちよさそうですねぇ。
落石をどけたりしながら林道を出て青木湖に立ち寄り、ひとやすみしたところでボクスターを転舵。
例によって幹線道路を避け、いちばん山に近い県道(K325→K306→K25)を結んで南へと走ります。
市街地を大きく迂回しながら塩尻へと回り込み、「
信州健康ランド」に到着しました。
本日はここに8人の旧いクルマ仲間が集まり、宴会を開くことになっているのです。
風呂で汗を流してから賑やかな食事処の一角に陣取ったオッサン一行、「取りあえず、ビール!」。
BOHP上で知り合った20年近く前のことから現在に至るまで、クルマ談義で大いに盛り上がるのでした。
翌朝は、5時に起床。
空は引き続き晴れており、もうひとっ走りしたいのは山々なのですが、所用があるため今日はまっすぐ帰らなければなりません。
朝風呂で目を覚ましてからチェック・アウト、同じく直帰するというKさんのポルシェ・ケイマンとともに、塩尻北ICから長野自動車道に乗りました。
道はガラガラ、しばらくマイペースで走ってからKさんに先頭を譲ると、白いケイマンは案の定ペース・アップ。
仕方なくアクセルを踏みこんで走るうちに、いつの間にかカーナビの到着予想時刻が1時間も早まっているじゃあーりませんか。
・・・あのですね、私ゃオープンで走ってるんですよ。
マジで、ヅラが飛んでいっちゃいますってば(汗)。
二日間の走行距離は、758km。
走行時間は11時間43分、平均速度は66km/h。
燃費は残念ながら帰りのハイウェイで10km/lを割り込み、9.9km/lとなりました(涙)。
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クルマ仲間との同窓会に絡めて走った、梅雨の晴れ間の信州路。
頑張って早起きした甲斐もあり、往復の高速道路や第一級の観光道路であるビーナスラインも含め、変化に富んだルートの殆どをマイペースで走り切ることができました。
いやほんと、ドライブは楽しいですね~。
梅雨明けはまだ先ですが、週末の天気が悪くなければ、積極的に走りに行こうと思っています。