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土曜日の午前2時に仮眠から目を醒まし、身支度を整えて埼玉の自宅を3時前に出発。
今日から三連休なのだが、首都高速道路も東名高速道路もさすがにまだ空いており、幌を閉めたままのボクスターはマイペースで走り続けている。
実に快調な出だしではあるが、数日前、食事中に唇を噛んだ箇所が口内炎となり、疼いているのが玉に瑕[きず]だ(涙)。
御殿場JCTで大型トラックの殆どが予想通り新東名高速道路へと流れていくのを確認し、東名を選択。
新東名と東名の関係性は首都高湾岸線と横羽線のそれに似ているな、そういえば湾岸線より横羽線のほうが好きなんだよな・・・などと他愛もないことを考えつつ、星空のハイウェイを西へと走る。
伊勢湾岸自動車道を走っているうちに夜明けを迎え、東名阪自動車道から伊勢自動車道へとスイッチする頃には、冬の空に眩しい太陽が昇り始めていた。
勢和多気ICでアウト、屋根を開けガソリンを入れて走り出す。
紀伊半島中央部へと西に走るR166は、大好きな山間快速2車線ルート。
クルマは殆ど走っておらず、突き抜ける青空にエンジン&エキゾースト・サウンドを轟かせながら、県境の峠を目指してボクスターは走った。
トンネルを越えて奈良県に突入、外気温は氷点近くまで下がり、路面はやや湿潤なものの問題なし。
K16で東吉野村を抜け、R169で南下を開始する。
時刻は9時を過ぎていたがこの道もまた交通量はほぼ皆無、心地よい冷たい風を浴びながら4速メインで走り続けた。
寄り道やルート変更をしてもいいかなと思ってはみたものの、大台ヶ原へのK40も天川村へのR309も冬期通行止めとなっている。
更にその先、R425で尾鷲へ出ようと思ったら、今度は崩土通行止めとの由。
さすがは「酷道」として名高いR425、正に面目躍如である(笑)。
引き続きR169を走り、山の中へ。
七色ダムを越え、吊り橋を渡り、瀞峡方面へと道は続いている。
以前はどえらい山峡路ばかりだったのに、来るたびに長大な橋梁とトンネルが増えており、ノスタルジックな山岳国道はその姿を消しつつある。
しかしながら、どこまでも続く山の大きさや荒々しく削られた谷の深さは以前と何も変わっておらず、青空をバックに輝くその風景はやはり感動的であった。
R311からK62→K141と結び、新宮の街にある熊野速玉大社へ初詣。
熊野本宮大社、熊野那智大社と並ぶ熊野三山の一角ではあるが、速玉大社を訪れたのは今回が初めてである。
参拝の前に、参道の脇にある横丁でたこ焼きを喰う。
5個で200円、口内炎のため思いっきり頬張ることはできないが(涙)、正統派のたこ焼きといった感じでとても旨い。
小腹を満たしたところで参詣し、交通安全のお守りを買って今年初めてのおみくじを引く。
運勢は吉、肝心の「旅行[たびだち]」は「良い出会いあり」とあるが、そんなもんあるのか?(←無い)
R168で再び山方面に向かい、K44で南へと走ってみたものの、これがとんでもない狭隘路。
対向してきたトラックを延々とバックさせてしまい、大変申し訳ない思いをした。
こんな道が山奥へとひたすら続いているようで、日が暮れたらシャレにならないため、少し広い場所で何度も切り替えしてUターン。
しかしR168をそのまま戻るのはシャクなので、熊野川対岸のK740を走るが、これまたリアル1車線の断崖峡路である。
国道へ戻りたくても橋は無く、木の枝や落石が散乱し逆光で極めて見えにくい路面に注意しながら、慎重に走った。
新宮まで戻り、R42の高規格バイパス/熊野尾鷲道路で一気に南へ向かうボクスター。
傾く西日を正面に受けながら走りつづけ、本州最南端の潮岬に到着する。
高台から眺める夕陽は、雲を纏いながら紀州灘へと静かに落ちていった。
本日の宿は、串本の海に面した「浦島ハーバーホテル」。
三連休の一人泊なのに、観光地の温泉旅館が夕食付で7,500円とは、旅の宿として実にありがたい。
露天風呂に浸かり、口内炎に注意しながら中ジョッキ片手にバイキングを腹が痛くなるほど喰って、広々とした和室で大の字になった。
---
翌朝は、5時半に起床。
部屋の窓から静かな海越しに見える紀伊大島の上には、たくさんの星が輝いている。
群青に明けゆく空を眺めながら露天風呂で目を醒まし、荷物をまとめてチェック・アウト。
温暖な南紀とは言え放射冷却でだいぶ冷え込んだようで、ボクスターのフロント・スクリーンやソフト・トップにはうっすらと氷が残っていた。
イグニッションをひねり、すぐ近くにある名勝・橋杭岩へ。
眺めの良い道の駅のパーキングでは大勢の人が高そうなカメラやスマートフォンを構えていたため、少し離れた場所にボクスターを駐めて独り静かに日の出を迎えた。
冷え切った空気が陽光に緩み始め、今日も楽しいドライブになるだろうとの予感に満たされる。
夜露に濡れた幌を下ろせないまま、ループ橋を渡って紀伊大島へと向かう。
県道の終着にあるパーキングにボクスターを駐め、穏やかで素晴らしい海の風景を眺めながら岬の先端まで歩いた。
明治時代、トルコの軍艦がこの岬付近で座礁し、多くの人命が喪われたのだと言う。
その際、地元の人たちが生存者を懸命に救出したことからトルコとの友好が深まり、この地には記念碑などが建てられているのだそうだ。
哀しい背景ではあるが、そうした歴史の重みも含め、初めて訪れたこの樫野埼は実にグッとくる場所であった。
パーキングの無人販売所で売っていた一袋100円のポンカンを買い、すっかり乾いたボクスターの屋根を開けて島を後にした。
R42で紀伊半島最南部の海岸線を西に走る。
予想に反して交通量は少なく、前走車に追いついても極めて安全かつ迅速にブッコ抜くことが可能である。
高めのギアを択び、朝日に輝く青い紀州灘を左手に眺めながら、素晴らしく気持ちのいいシーサイド・クルージングが続く。
そんな美しい海に面したローソンに立ち寄り、ドーナツ二つとホット・コーヒーを買って外のベンチで朝食と洒落込んだ。
コンビニとしては抜群のロケーションで、旨さも3倍増だが、アツアツのコーヒーは口内炎に辛い(涙)。
K37を右折し、海と別れ日置川に沿って内陸に向かう。
この道では地元の駅伝大会が行われており、エールを送りつつゆっくりと走った。
山奥へ向かうにつれてK37は2車線の県道からやがて「険道」となり、その先のR371もとても国道とは思えない「酷道」である。
人の気配すら無い断崖のリアル1車線が延々と続き、俺は何故こんなところにいるのだろうと自問しながらボクスターを走らせる。
路面には砕けた落石が散っており、ガードレールの無い区間も少なくない。
R425に勝るとも劣らない、これぞ紀伊半島の山道である・・・と、妙に感心させられた。
スピードは上がらないがボクスターで走るのにさほどの問題はなく、個人的には嫌いじゃないのよむしろ好き。
その先のK217も含め、アドベンチャー・ドライブをこれでもかと堪能することとなったのだ。
中辺路でようやく普通の国道、R311に出る。
ここまで想像以上に時間がかかったため、スポーツ・モードにセットしたボクスターに鞭を入れて東へと走らせた。
本宮からはノーズを北に向け、R168で十津川村を縦断する。
昨日走ったR169と同様、この道も改良が進んでいるのだが、その一方で未改良の1.5車線区間も多く残っており、結果として変化に富んだロング・ランを楽しめるルートとなっている。
俊敏かつ安定した走りを見せるボクスターのドライビング・ダイナミクスは、このようなロードで遺憾なく発揮されるのだ。
西吉野でK20にスイッチ、誰もいない山間のワインディングをハイペースで走り続け、下市の街に出る。
R169で市街地を東に走り、K28を経由してR370→R369と北上。
給油を済ませ、針ICからR25/名阪国道に乗った。
制限速度60kmの一般国道だと言うのだが、誰がどう見ても高速道路であるし、周囲のクルマも高速道路的に走っているので、止むを得ず私もそうした(笑)。
あっという間に終点の亀山ICに到着、国道や県道で東へ走っていると、鈴鹿サーキットがある。
初めて立ち寄ってみたが、金網の向こう側で繰り広げられている走行会のサウンドが耳に心地よかった。
日も暮れてきたのでリスタート、伊勢湾にほど近い住宅地の中にある小さな旅館「魚要」に到着した。
二食つき5,000円の料金に惹かれ、昨晩「じゃらんnet」で予約した宿である。
旅館と言うより民宿のような造りだが風呂は広く、十分にリラックスできる。
食事は隣の居酒屋で、ピチピチの刺身や揚げたての天ぷら、陶板焼にカニの足までついて大満足。
未だ治らない口内炎の箇所に食べたものが当たらないように注意しながら(涙)、腹一杯喰って部屋へと戻る。
旅の記録をOneNoteにしたためているうちにビールの酔いもあって眠くなり、22時前に布団へ潜り込んだ。
---
最終日は、肌寒い曇り空の朝から始まった。
家庭的な朝食でご飯を3杯ほど平らげ、威勢のいい大将に見送られて、幌を下ろしたボクスターで宿を後にする。
首都圏の高速道路は午後の早い時間帯から大渋滞が予想されており、かつ昨日一昨日と紀伊半島の素晴らしいドライブを存分に楽しんでいたため、今日は空いているうちにまっすぐ&のんびり帰ることにした。
K6→R23と結び、みえ川越ICから自宅まで400kmのハイウェイ・クルージングである。
伊勢湾岸道を走っているうちに青空が拡がり始め、暖かな陽射しがボクスターのオープン・キャビンに降り注ぐ。
前走車をパスする際以外は徒にスピードを上げることもなく、ギア・レバーを右下に突っ込んだまま快適に走り続けた。
東名/三ヶ日JCTからは新東名に入り、御殿場JCTで東名に復帰。
で、秦野中井付近で追越車線を走っているうちにシルバーのトヨタ・クラウンをブッコ抜いたのだが、これが覆面パトカーだった。
減速し、すぐ走行車線に移ってルーム・ミラーに目をやると、クラウンのフロント・グリル内でLED赤色灯が瞬いている。
おっと危ねぇ・・・と思った次の瞬間、覆面クラウンは追越車線に出て私の前を走っていたクルマを猛然と追い始めた。
程なくクラウンの屋根から回転灯が出現し、捕縛。
気の毒な被害車輌が連行されてゆく路側帯には、別のクルマがもう一台の覆面クラウンに囚われていたのであった(汗)。
三日間の合計走行距離は、1,646km。
走行時間は23時間21分、平均速度は72km/h。
平均燃費は、10.8km/lだった。
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と言うことで、事故らず壊さず捕まらず、天気にも恵まれ渋滞にも引っかからずに、新年一発目のツーリングを大いに楽しんできました。
何度も走りに来ていますが、紀伊半島は本当にいいところです。
確かに関東からは遠いものの、関東には無い素晴らしい道や景色がいっぱいです。
次回は冬期の通行制限に引っかからない時期に再訪し、更にルートを拡大して走り回りたいと思っています。
ちなみに私には弟が二人いるのですが、上の弟からツーリング初日にメールが送られてきました。
曰く、「朝6時頃、伊勢湾岸道を走っていなかったか?青いボクスターにブチ抜かれたのだが」。
訊けば弟も三連休を利用して、岡山から兵庫、福井あたりをドライブしていたとのこと。
・・・兄弟揃って、何やってんだか(汗)。
土曜日の午前2時に仮眠から目を醒まし、身支度を整えて埼玉の自宅を3時前に出発。
今日から三連休なのだが、首都高速道路も東名高速道路もさすがにまだ空いており、幌を閉めたままのボクスターはマイペースで走り続けている。
実に快調な出だしではあるが、数日前、食事中に唇を噛んだ箇所が口内炎となり、疼いているのが玉に瑕[きず]だ(涙)。
御殿場JCTで大型トラックの殆どが予想通り新東名高速道路へと流れていくのを確認し、東名を選択。
新東名と東名の関係性は首都高湾岸線と横羽線のそれに似ているな、そういえば湾岸線より横羽線のほうが好きなんだよな・・・などと他愛もないことを考えつつ、星空のハイウェイを西へと走る。
伊勢湾岸自動車道を走っているうちに夜明けを迎え、東名阪自動車道から伊勢自動車道へとスイッチする頃には、冬の空に眩しい太陽が昇り始めていた。
勢和多気ICでアウト、屋根を開けガソリンを入れて走り出す。
紀伊半島中央部へと西に走るR166は、大好きな山間快速2車線ルート。
クルマは殆ど走っておらず、突き抜ける青空にエンジン&エキゾースト・サウンドを轟かせながら、県境の峠を目指してボクスターは走った。
トンネルを越えて奈良県に突入、外気温は氷点近くまで下がり、路面はやや湿潤なものの問題なし。
K16で東吉野村を抜け、R169で南下を開始する。
時刻は9時を過ぎていたがこの道もまた交通量はほぼ皆無、心地よい冷たい風を浴びながら4速メインで走り続けた。
寄り道やルート変更をしてもいいかなと思ってはみたものの、大台ヶ原へのK40も天川村へのR309も冬期通行止めとなっている。
更にその先、R425で尾鷲へ出ようと思ったら、今度は崩土通行止めとの由。
さすがは「酷道」として名高いR425、正に面目躍如である(笑)。
七色ダムを越え、吊り橋を渡り、瀞峡方面へと道は続いている。
以前はどえらい山峡路ばかりだったのに、来るたびに長大な橋梁とトンネルが増えており、ノスタルジックな山岳国道はその姿を消しつつある。
しかしながら、どこまでも続く山の大きさや荒々しく削られた谷の深さは以前と何も変わっておらず、青空をバックに輝くその風景はやはり感動的であった。
熊野本宮大社、熊野那智大社と並ぶ熊野三山の一角ではあるが、速玉大社を訪れたのは今回が初めてである。
参拝の前に、参道の脇にある横丁でたこ焼きを喰う。
5個で200円、口内炎のため思いっきり頬張ることはできないが(涙)、正統派のたこ焼きといった感じでとても旨い。
小腹を満たしたところで参詣し、交通安全のお守りを買って今年初めてのおみくじを引く。
運勢は吉、肝心の「旅行[たびだち]」は「良い出会いあり」とあるが、そんなもんあるのか?(←無い)
R168で再び山方面に向かい、K44で南へと走ってみたものの、これがとんでもない狭隘路。
対向してきたトラックを延々とバックさせてしまい、大変申し訳ない思いをした。
こんな道が山奥へとひたすら続いているようで、日が暮れたらシャレにならないため、少し広い場所で何度も切り替えしてUターン。
しかしR168をそのまま戻るのはシャクなので、熊野川対岸のK740を走るが、これまたリアル1車線の断崖峡路である。
国道へ戻りたくても橋は無く、木の枝や落石が散乱し逆光で極めて見えにくい路面に注意しながら、慎重に走った。
新宮まで戻り、R42の高規格バイパス/熊野尾鷲道路で一気に南へ向かうボクスター。
傾く西日を正面に受けながら走りつづけ、本州最南端の潮岬に到着する。
高台から眺める夕陽は、雲を纏いながら紀州灘へと静かに落ちていった。
本日の宿は、串本の海に面した「浦島ハーバーホテル」。
三連休の一人泊なのに、観光地の温泉旅館が夕食付で7,500円とは、旅の宿として実にありがたい。
露天風呂に浸かり、口内炎に注意しながら中ジョッキ片手にバイキングを腹が痛くなるほど喰って、広々とした和室で大の字になった。
---
翌朝は、5時半に起床。
部屋の窓から静かな海越しに見える紀伊大島の上には、たくさんの星が輝いている。
群青に明けゆく空を眺めながら露天風呂で目を醒まし、荷物をまとめてチェック・アウト。
温暖な南紀とは言え放射冷却でだいぶ冷え込んだようで、ボクスターのフロント・スクリーンやソフト・トップにはうっすらと氷が残っていた。
イグニッションをひねり、すぐ近くにある名勝・橋杭岩へ。
眺めの良い道の駅のパーキングでは大勢の人が高そうなカメラやスマートフォンを構えていたため、少し離れた場所にボクスターを駐めて独り静かに日の出を迎えた。
冷え切った空気が陽光に緩み始め、今日も楽しいドライブになるだろうとの予感に満たされる。
夜露に濡れた幌を下ろせないまま、ループ橋を渡って紀伊大島へと向かう。
県道の終着にあるパーキングにボクスターを駐め、穏やかで素晴らしい海の風景を眺めながら岬の先端まで歩いた。
明治時代、トルコの軍艦がこの岬付近で座礁し、多くの人命が喪われたのだと言う。
その際、地元の人たちが生存者を懸命に救出したことからトルコとの友好が深まり、この地には記念碑などが建てられているのだそうだ。
哀しい背景ではあるが、そうした歴史の重みも含め、初めて訪れたこの樫野埼は実にグッとくる場所であった。
パーキングの無人販売所で売っていた一袋100円のポンカンを買い、すっかり乾いたボクスターの屋根を開けて島を後にした。
R42で紀伊半島最南部の海岸線を西に走る。
予想に反して交通量は少なく、前走車に追いついても極めて安全かつ迅速にブッコ抜くことが可能である。
高めのギアを択び、朝日に輝く青い紀州灘を左手に眺めながら、素晴らしく気持ちのいいシーサイド・クルージングが続く。
そんな美しい海に面したローソンに立ち寄り、ドーナツ二つとホット・コーヒーを買って外のベンチで朝食と洒落込んだ。
コンビニとしては抜群のロケーションで、旨さも3倍増だが、アツアツのコーヒーは口内炎に辛い(涙)。
K37を右折し、海と別れ日置川に沿って内陸に向かう。
この道では地元の駅伝大会が行われており、エールを送りつつゆっくりと走った。
山奥へ向かうにつれてK37は2車線の県道からやがて「険道」となり、その先のR371もとても国道とは思えない「酷道」である。
人の気配すら無い断崖のリアル1車線が延々と続き、俺は何故こんなところにいるのだろうと自問しながらボクスターを走らせる。
路面には砕けた落石が散っており、ガードレールの無い区間も少なくない。
R425に勝るとも劣らない、これぞ紀伊半島の山道である・・・と、妙に感心させられた。
スピードは上がらないがボクスターで走るのにさほどの問題はなく、個人的には嫌いじゃないのよむしろ好き。
その先のK217も含め、アドベンチャー・ドライブをこれでもかと堪能することとなったのだ。
中辺路でようやく普通の国道、R311に出る。
ここまで想像以上に時間がかかったため、スポーツ・モードにセットしたボクスターに鞭を入れて東へと走らせた。
本宮からはノーズを北に向け、R168で十津川村を縦断する。
昨日走ったR169と同様、この道も改良が進んでいるのだが、その一方で未改良の1.5車線区間も多く残っており、結果として変化に富んだロング・ランを楽しめるルートとなっている。
俊敏かつ安定した走りを見せるボクスターのドライビング・ダイナミクスは、このようなロードで遺憾なく発揮されるのだ。
西吉野でK20にスイッチ、誰もいない山間のワインディングをハイペースで走り続け、下市の街に出る。
R169で市街地を東に走り、K28を経由してR370→R369と北上。
給油を済ませ、針ICからR25/名阪国道に乗った。
制限速度60kmの一般国道だと言うのだが、誰がどう見ても高速道路であるし、周囲のクルマも高速道路的に走っているので、止むを得ず私もそうした(笑)。
あっという間に終点の亀山ICに到着、国道や県道で東へ走っていると、鈴鹿サーキットがある。
初めて立ち寄ってみたが、金網の向こう側で繰り広げられている走行会のサウンドが耳に心地よかった。
日も暮れてきたのでリスタート、伊勢湾にほど近い住宅地の中にある小さな旅館「魚要」に到着した。
二食つき5,000円の料金に惹かれ、昨晩「じゃらんnet」で予約した宿である。
旅館と言うより民宿のような造りだが風呂は広く、十分にリラックスできる。
食事は隣の居酒屋で、ピチピチの刺身や揚げたての天ぷら、陶板焼にカニの足までついて大満足。
未だ治らない口内炎の箇所に食べたものが当たらないように注意しながら(涙)、腹一杯喰って部屋へと戻る。
旅の記録をOneNoteにしたためているうちにビールの酔いもあって眠くなり、22時前に布団へ潜り込んだ。
---
最終日は、肌寒い曇り空の朝から始まった。
家庭的な朝食でご飯を3杯ほど平らげ、威勢のいい大将に見送られて、幌を下ろしたボクスターで宿を後にする。
首都圏の高速道路は午後の早い時間帯から大渋滞が予想されており、かつ昨日一昨日と紀伊半島の素晴らしいドライブを存分に楽しんでいたため、今日は空いているうちにまっすぐ&のんびり帰ることにした。
K6→R23と結び、みえ川越ICから自宅まで400kmのハイウェイ・クルージングである。
伊勢湾岸道を走っているうちに青空が拡がり始め、暖かな陽射しがボクスターのオープン・キャビンに降り注ぐ。
前走車をパスする際以外は徒にスピードを上げることもなく、ギア・レバーを右下に突っ込んだまま快適に走り続けた。
東名/三ヶ日JCTからは新東名に入り、御殿場JCTで東名に復帰。
で、秦野中井付近で追越車線を走っているうちにシルバーのトヨタ・クラウンをブッコ抜いたのだが、これが覆面パトカーだった。
減速し、すぐ走行車線に移ってルーム・ミラーに目をやると、クラウンのフロント・グリル内でLED赤色灯が瞬いている。
おっと危ねぇ・・・と思った次の瞬間、覆面クラウンは追越車線に出て私の前を走っていたクルマを猛然と追い始めた。
程なくクラウンの屋根から回転灯が出現し、捕縛。
気の毒な被害車輌が連行されてゆく路側帯には、別のクルマがもう一台の覆面クラウンに囚われていたのであった(汗)。
三日間の合計走行距離は、1,646km。
走行時間は23時間21分、平均速度は72km/h。
平均燃費は、10.8km/lだった。
------
と言うことで、事故らず壊さず捕まらず、天気にも恵まれ渋滞にも引っかからずに、新年一発目のツーリングを大いに楽しんできました。
何度も走りに来ていますが、紀伊半島は本当にいいところです。
確かに関東からは遠いものの、関東には無い素晴らしい道や景色がいっぱいです。
次回は冬期の通行制限に引っかからない時期に再訪し、更にルートを拡大して走り回りたいと思っています。
ちなみに私には弟が二人いるのですが、上の弟からツーリング初日にメールが送られてきました。
曰く、「朝6時頃、伊勢湾岸道を走っていなかったか?青いボクスターにブチ抜かれたのだが」。
訊けば弟も三連休を利用して、岡山から兵庫、福井あたりをドライブしていたとのこと。
・・・兄弟揃って、何やってんだか(汗)。