熱海や伊東、下田など、名だたる観光地が連なる東伊豆の海沿いは人もクルマも多く、「走る」のにはまったく不向きです。
故に、R135へクルマを走らせに行ったことはほぼ皆無に近く、専ら西伊豆の素晴らしいワインディングばかりを走っておりました。
真冬ということでさすがに渋滞は無さそうですが、念のためいつもより1時間早起きして埼玉の自宅を出発。
首都高速-東名高速-小田原厚木道路と走り続け、西湘バイパス/
石橋ICでボクスターのソフト・トップを下ろしつつ、R135に出ました。
夜明け前の東伊豆はまだクルマも少なく、もう少し時間が経てばボトル・ネックとなったであろう熱海市内も無事に通過。
左手に相模湾をずっと眺めながらのオープン・エア・クルージングは、とても気持ちいいんですよねぇ。
いつもこれぐらい空いていればいいのに・・・と呟きながら、
伊東の港でパンとコーヒーの朝食です。
しかし周囲が明るくなってくるに連れて、R135はどんどん交通量が増えてきます。
抜きどころも無く、早くもチンタラ走行に飽きたオッサンは、ステアリングを右へ。
太公望が静かに糸を垂れる
一碧湖や、朝の空にポッコリと聳える大室山に立ち寄り、気分転換を図ってから国道に復帰しました。
もはや東伊豆でのマイペース走行は潔く諦め(笑)、次に立ち寄るところを思案しながら南下を続けます。
河津川の河口からチラ見したところ、河津桜はまだまったく咲いていないようなのでスルー。
代わりに
爪木崎へと左折して、輝く海をバックにシルエットとなって建つ灯台を眺めてきました。
下田の街を抜けると、クルマは徐々に減ってきます。
暖かな陽射しにシート・ヒーターのスイッチを切って走り、
弓ヶ浜の海水浴場に立ち寄りました。
人も疎らな砂浜に小さな波が寄せては返し、実にのどかな風情です。
伊豆半島南端をトレースする
K16ではようやくマイペース走行が可能となり、本日初めてスポーツ・モードのスイッチを入れました。
目を醒ましたMA122型2.7Lフラット・シックスを積極的なダウン・シフトで回してやると、パワー&エグゾースト・ユニットから素晴らしいメタリック・サウンドを発しながら、ボクスターはぐんぐん加速していきます。
高回転域でのスロットルはアクセル操作に極めてビビッドに反応し、ステアリングは切れすぎるほどシャープに切れるため、私ごときのスキルやマインドではとてもボクスターの速さについていけません。
肩の力を抜いてシフト・アップ、それでも極めて痛快なペースでガラガラのR136を走り続け、
雲見の海岸で小休止。
気温は10℃を少し超えるぐらいでしたが、オッサンはダウン・ジャケットを脱ぎすててクール・ダウンに努めるのでした(汗)。
霞む富士山を探しながら駿河湾に沿って西伊豆を北上するうちに、お腹がグー。
R136沿い、宇久須の「
海産屋」で飯を喰うのは、
昨年の冬に続きこれで二回目となります。
今回もまた金目鯛の煮付に舌鼓を打ち、最後は残った甘辛いタレをご飯に回しかけ、余すところなく堪能させていただきました(笑)。
大満足のうちにリスタートし、土肥からは
K17で断崖のワインディングをトレースしていきます。
ここでは前走車の集団に行く手を遮られるまでの間、スポーツ・プラス・モードをセレクトして走りました。
ダウン・シフト時にはオート・ブリッピング機能が働くのですが、マニュアル一筋30年のクセはなかなか抜けず、つい右足でアクセルをあおってしまうことがあります。
いかん、回転が上がりすぎる・・・と思いきや、それでもエンジンはギア・エンゲージに適した回転数以上には上がりません。
確証はありませんが、オート・ブリッピングが発動すると、ドライバーによる同タイミングのブリッピングはキャンセルされるように思えるのです。
或いはオート・ブリッピングの方がキャンセルされるのかもしれませんけど、いずれにせよ意図しない高回転のブリップでギアが繋がるのはとても危険ですから、フェイル・セーフのコンセプトでシステムが設計されているということなのでしょう。
なるほど、大したもんだ・・・と独り感心しつつ、ボクスターの屋根を開けたまま、沼津ICから空いている東名で家路に就きました。
伊豆半島を一周したのは、KP61/
トヨタ・スターレットで夜中に走り回っていた、若気の至り炸裂な二十歳の頃以来のことです(笑)。
東伊豆のR135は、道そのものだけを見れば、変化に富み景色にも恵まれた楽しいシーサイド・ルートだと思います。
しかしながらオフ・シーズンの早朝でも交通量は多く、残念ながらマイペースで走れる道ではありませんでした。
以降、これまで通り伊豆半島の東側は伊豆スカイラインを限度とし、やはり西伊豆をメインに走ることと致します(笑)。