セイコーマートで仕入れたアイスコーヒーをサーモ・ボトルに詰め、街を後にします。
グレイの雲を映す宗谷湾を左手に見ながらR238を快走、D889で宗谷丘陵に上がってから、いわゆる「白い道」へと向かいました。
白い道は砕いたホタテの貝殻が敷き詰められたダートで、この付近には何本かあるのですが、このルートは明確な観光スポットとして標識まで整備されています。
昨年秋にクルマ仲間のつくばの松さんが走って感動したとのことで、恥ずかしながら私、今回初めて乗り入れた次第です。
途中で雨が降り始めたり、一方通行のルールがあるのに終点から進入してくるバイクがいたりもしましたが、緑の丘陵を海まで続く真っ白な道はやはり画になりますね。
R238に出て、雨上がりの宗谷岬に寄ります。
この日はとても賑わっており、駐車場にはたくさんのバイクが駐まっていて、モニュメントの前には写真撮影の順番を待つ列ができていました。
なので、間宮林蔵さんにご挨拶してから早々に撤収。
再び宗谷丘陵まで駆け上がり、D889でのクルージングを独りのんびりと楽しみます。
何度来ても、この道は心に残るんですよね。
林立する巨大な風力発電機の間を縫って南へと走り、D1077でもう一度R238に復帰。
どこまでも広大な空の下、静かなオホーツク海を眺めながらボクスターをひた走らせていきます。
トイレと買い物に立ち寄った道の駅「さるふつ公園」では、何人ものチャリダーが文字通り横になって休憩していました。
その先、国道を外れて今回も猿払村道エサヌカ線を走ります。
まっすぐな道路は道内を中心にいくつもありますが、かつここまでまったいらな道は日本でここだけではないでしょうか。
雷注意報の出ている道北地方は天候が安定せず、地平の消失点に向かってボクスターを走らせているうちに、晴れ/曇り/雨と天気はめまぐるしく変わっていきます。
相変わらずすげぇ道だな・・・と半ば畏怖しつつ、国道へと戻りました。
園山をトンネルで貫く国道を離れ、旧道でその北見神威岬をぐるっと周りました。
距離は短いのですが、これまでの平原平野から一転した勇壮な風景は素晴らしいと思います。
その先の公園にボクスターを乗り入れ、ランチ・タイム。
岬を眺めるベンチに陣取り、先ほど道の駅の売店で仕入れておいた「極めホタテめし」をいただきます。
で、これが想像の遥か上を行く旨さでビックリ仰天!
ホタテはまるごとひとつ載せられているだけでなく、ごはんの中にも細かくほぐされた貝柱がたくさん混ぜ込まれており、ホタテの旨味を感じずに食べることができないのです(笑)。
夏の風が吹く海の景色も最高で、実に贅沢な昼食となりました。
さ、ひとっ走りしてひとっ風呂浴びに行きましょう。
枝幸でオホーツク海と別れ、D12で内陸方面へ転進。
歌登からはD120へシフト、引き続き誰もいない緑の中を高めのギアで快走し、途中を右折して「うたのぼりグリーンパークホテル」に到着しました。
ここは2週間ほど前、クルマ仲間のShimaさんがポルシェ・ボクスタースパイダーで北海道を旅している際に立ち寄った温泉。
その様子を、猛暑の東京で仕事中の私にリアルタイムで送りつけてくるのですからたまりません(笑)。
土日の16時-21時しか営業していないという、すぐ隣にある朝倉温泉と同じ源泉は茶色く濁ったシュワッシュワの炭酸泉で、身体も袋もたちまち泡だらけです。
湯温もちょいぬるでたいへん気持ちよく、大いにリフレッシュすることができました。
更に南へと延びるD120は、ずーっと交通量ゼロの山間ワインディング。
白樺の峠を6速のまま越えて美深町仁宇布の集落に入り、畑の中の道を進んだ先に本日の宿がありました。
「ファームイン・トント」は羊牧場や蕎麦畑などの中に建つ、文字通りの農場民宿です。
周囲には他に何もないリアル一軒宿ですが、ロッジのような造りの建屋はセンス良くとてもイイ感じで、ツインの和洋室にはなんとエアコンが備えつけられていました。
荷物を解き、辺りを散策したりしているうちに夕刻となり、風呂から上がって晩飯です。
宿のおねいさんに選んでもらったクラフト・ビールを片手にいただくジンギスカンは、期待以上の旨さ!
タレよりもむしろ塩コショウで、ジューシィな肉の旨味を存分に味わいました。
ちなみに若いカップルのお客さんはフレンチのコースを食べており、それはそれでまた旨そうなリアクションが伝わってきます。
もう一組は私と同世代のご夫婦で、関東からフライト&レンタカーでやってきたとのこと。
唯一の独り客である私の話し相手になっていただき、本当にありがとうございました。
寝る前にテラスへ出てみれば、朧月夜に虫の声。
今年初めて、秋の気配を感じることができました。
本日の走行距離は、256km。
走行時間は4時間45分、平均燃費は12.9km/lでした。
最北のシーニック・ロードから温泉、そして宿に至るまで、今日もまた素晴らしい1日だったと思います。
我ながらイイ旅してますよ、ホント(笑)。