朝5時半に起きて、露天風呂と内湯を堪能する。
お盆の時期とは思えないほどの肌寒さではあるが、温泉に浸かって芯からポカポカになった。
昨夜から小雨が降り続いているものの、TVもなければスマートフォンも繋がらないため、天気がどうなるのかさえサッパリわからない。
朝飯は期待通りの旨さで、炊きたてのササニシキを櫃が空になるまで貪り喰った。
チェック・アウトを済ませ、宿犬に見送られて山道を歩き、急坂に息を切らして駐車場に戻る。
ご主人が貸してくれた傘を宿の軽トラの荷台にお返しし、ボクスターのイグニッションを入れる。
日常から隔絶された素晴らしい宿だったなぁと反芻しつつ、霧に煙る山の中、R398を麓へと下っていった。
しばらく走ってようやく4G・LTEを受信したスマートフォンを路肩でチェックすると、今日は全国的な雨模様で、西日本では大規模な災害も発生しているという。
ここ東北では太平洋側ほど風雨が強いというので、今日は山形方面へと向かうことにした。
強まる雨の中、R457からK253を経由し、鳴子温泉を横目にR47を西進。
中山峠を越えて山形県に入り、奥の細道街道とも呼ばれるK28を南西に走った。
県道終着の尾花沢市は、スイカが特産品である。
1ヶ月ほど前、ここのJA直売所「おばね産直館 はいっと」で買ったスイカが信じられないほどの旨さだったので、今回も買い求めに来たのだ。
いちばん旨いといわれるいちばん大きな6Lサイズは、約12kg(汗)。
ボクスターの荷物を整理し、フロント・トランクへ個装箱を慎重に収める。
大事なスイカが割れないよう、これまで以上にソフトなドライビングを心がけるとしよう。
郊外路・R347をのんびりと南下。
昼飯には山形名物の「肉そば」を喰おうと思い立ち、発祥の地と言われる河北町に立ち寄った。
「そば処 あお木」はほぼ満席で、見ればほとんどのお客さんが肉そばをすすっている。
鶏ダシの冷たいスープはコクがあってとても旨く、コリコリと歯応えのある鶏肉を間に挟みながら一気にそばを喰い、最後の一滴まで飲み干した。
はい、ごちそうさん!
店を出ると雨はほとんど上がっており、嬉しいことに幌も乾いている。
R287に入ったところで屋根を開け、沿道のJA-SSで給油を済ませてから意気揚々と走り出すが、すぐにまた雨が降り出す。
悔しいので開けっ放しで走り続け、その悔しさをアクセルに変えて、村山西部地区広域農道を駆け抜ける。
が、雨は走っていても車内が濡れるレベルにまで強くなったため、痛恨のルーフ・クローズと相成った(涙)。
上山からは、K12で蔵王へのヒルクライミングを開始する。
幾多のタイト・コーナーを2速で次々とクリアしていくうちに雲の中に入ったらしく、周囲は真っ白となる。
ピークの県境付近では雨に加えて強風が吹き荒び、小休止する気にもなれないのだ。
そんな天気のせいであろう、幸いなことに蔵王エコーラインの宮城県側を下る前走車は一向に現れない。
災い転じて福と為す。
スイカを割らないように注意しながら、クリアラップのダウンヒルを堪能したのであった。
降りしきる雨に本日のドライブはここまでと判断、R457へと左折し、本日の投宿地・青根温泉に到着。
「山景の宿 流辿[りゅうせん]」にチェック・イン、貸切&共用露天風呂と内湯とで大いにリラックスした。
宿泊者には、マシンで淹れるドリップ・コーヒーや、ドールのフルーツ・アイスが無料でサービスされるのも嬉しい限りである。
で、部屋に運ばれてきた夕食が、ものすごく旨いのだ。
スタンダードな宿泊プランでありながら、肉とソーセージのローストや豚肉の豆乳鍋など、自身が泊まるドラ宿のクラスとは思えないほどの旨さなのである。
いやはや、最高の晩飯であった。
本日の走行距離は、214km。
走行時間は4時間27分、平均速度は50km/h。
平均燃費は、10.9km/lであった。
・・・割れてなくて、良かった(笑)。