台風の直後だからでしょうか、東名高速道路も小田原厚木道路もガラガラです。
小田原PAの食堂で豚汁の朝定食を平らげてから終点まで走り、R1を外れてK732で旧東海道をトレースしていきます。
雨は止んでいますが、空にかかる重たい雲は箱根外輪山にまで下りてきており、路面はまだ乾いていません。
急坂を駆け上がる七曲りの連続ヘアピン・コーナーでは、まもなくスリップ・サインが露出するであろうフロント・タイヤの接地感が曖昧になる場面が頻出。
「天下の険」と謳われた箱根の山を懸命に越えていった、往時の人々の苦労が偲ばれます(←そこでか?)。
クルマもバイクもいない杉木立を抜け出し、芦ノ湖畔でひとやすみ。
「ポルシェのオープンカーはいいねぇ。最高だねぇ」と声を掛けてくれたおじさんと、しばらく話をさせてもらいました。
K75を上って到着した大観山の駐車場は、霧というより雲の中。
風も吹いておりとても寒く、念のために持ってきた薄手のジャンバーに袖を通しました。
そんなコンディションでも好きな人はやはり好きなようで、何台もの速そうなクルマやバイクがターンパイクや箱根新道方面から次々に集まり、また走りに向かっています。
しかしながら、もうひとつのアプローチである椿ライン方面はほとんど誰も走っていないようで、何とも寂しい限りです。
箱根で一二を争う楽しい道なのにねぇ・・・と独りほくそ笑みを催しつつ、ハードなダウンヒルへとボクスターを投じました。
私の力量では3速にまで入れることができない椿ラインは、それ故にステアリングとツー・ペダルに集中できるのですが、台風の名残りで落ち葉が散乱しており、これがまたハーフ・ウェットのアスファルトに乗ってよく滑る(汗)。
前述の通りフロント・タイヤがかなり減っているためもあり、想定よりも早いタイミングでABSが発動します。
他に誰もいないからと言ってオーバー・ペースで走るようなことはもちろんせず、奥湯河原温泉まで駆け下り、Uターンして大観山へのヒルクライムを楽しみました。
いや~、最高です(笑)。
ターンパイクをのんびりと下っていくうちに雲から抜け出したのでしょう、下界はまずまずの晴れ模様です。
帰る前に軽くひとっ風呂浴びようと、1年半ぶりに「小田原温泉 八里」に立ち寄りました。
ここは小さな浴槽がひとつだけ、かつ地元の方々で賑わっているため、ちっとも寛ぐことができません(笑)。
身体を洗い、適温の湯にザッと浸かっただけで上がりましたが、それでも汗が止まらないほど良く温まることができました。
あちぃあちぃと言いながら脱衣所で汗を拭いていると、肩に小さなホリモンを載せた地元のおじさん曰く、「凄く温まるだろ。ここの湯はイイんだよ。俺なんかもうずいぶんジジイだけどよ、夜中にションベンで目ぇ覚めることがなくなったよ。だからもう家の風呂になんて入れねぇや。毎日ここへ入りに来てるんだよ」。
ジャンバーはもちろん、長袖のシャツも脱ぎ捨てて、Tシャツ1枚で小田原厚木道路を走る54歳。
屋根も窓も開け放ったままのボクスターのキャビンには、10月の風が盛大に入り込んできますが、ちっとも寒くありません。
うむ、確かにおじさんの言う通りだわ(笑)。
本日の走行距離は・・・測っていませんでしたが(汗)、200kmちょっとぐらいだと思います。
距離が短くても、午前中だけでも、やっぱりドライブは楽しいですね!