外は雨、予報によれば全道的に昼ぐらいまで降るようだ。
同宿者が皆でテーブルを囲み、ミサイル通過を知らせるTVを観ながら朝飯を喰う。
しかしホットミルクをガブガブ飲んだのは、小学生以来のことではなかろうか。
オーナーさんが近くの牧場から毎朝仕入れてくるという搾り立ての牛乳が、驚愕レベルの旨さなのである。
急ぐ旅でも無いので9時過ぎぐらいまでダラダラしていたが、雨は止む気配がない。
とりあえず愛用の「
Yahoo!雨雲レーダー」で雨の少ない方向を確認して出発、屈斜路湖方面へ走ってゆくと空はだんだん明るくなってきた。
雨上がりの
コタンの湯は、湖畔ギリギリの小さな露天風呂。
ロクに塀も柵も無いので全開丸見えだが、それだけに開放感も抜群で実に気持ちがいい。
今日これからのルートを考えつつ、独り静かに湯に浸かる。
R243で霧の美幌峠を越え、ボクスターを快走させる。
無人の広域農道も併用して美幌の街をパスし、幌が乾いたところで本日初の嬉しいルーフ・オープンと相成った。
津別[つべつ]からR240を経由してD51に入るが、これがまたひたすら原野を走り抜ける素晴らしい道。
それなのにツーリングマップルでは「おすすめルート」にも択ばれていない、これが北海道のレベルなのだ。
陸別[りくべつ]のセイコーマートで、ポルシェ・カイエンに乗る男性に声をかけられる。
十数年前に買った964型ポルシェ・911カレラが値上がりし、売った差益でカイエンを買ったのだそうだ。
これから帯広方面へ行く旨を話すと、晩飯に安くて旨いと言うお勧めの店を教えてくれた。
結果的にこの日は夕食つきの宿を予約したのでいずれの店にも行かなかったが、せっかくなのでここに記しておき、ありがたく次回の参考とさせていただこう。
◇帯広周辺のカレーショップ「
インデアン」
◇帯広「ゆう天」のかき揚げ丼
◇上士幌の「みどり鮨」
R242を南下、道を譲ってくれた先ほどのカイエンに大きく手を振り、スポーツ・モードのボクスターを加速させる。
昼を大きく過ぎ、小腹が空いてきたので道の駅「
あしょろ銀河ホール21」に立ち寄って、チリコンカン・フライとチーズ入りポテトフライの揚げ物コンボでハイ・カロリーを摂取した。
ここは道の駅なのに松山千春を大々的にフィーチャーしているようで、館内にはアルバムを並べた専用の部屋が設えられている。
更に、建物の正面には松山千春の手形&足形が刻まれた石碑が建てられており、いかにも押してくれといわんばかりの緑色のスイッチを押すと、「♪はて~し~ない~ お~お~ぞら~と~」が爆音で流れる仕組みとなっている。
なまら、シュールである。
本別[ほんべつ]からD499→D134と無人の快走路をカッ飛ばし、十勝平野に入る。
直線路を縦横に走り回って、大好きな十勝牧場のアプローチに立ち寄った。
白樺並木の外には背の低いヒマワリが未だその花を咲かせており、実にいい風情である。
D133を西に走り、昼過ぎに予約していた宿にチェック・イン 。
旅人宿「
こもれび」は
一昨年も二泊している実に居心地の良い宿で、今回も個室を使わせてもらい泊まることにしたのだ。
風呂上がりに中ジョッキをオーダー、宿泊者の皆さんと談笑しながらとても旨い晩飯を腹一杯喰う。
前回もお会いした毎年この宿に30泊している愛知県の男性(←羨ましい)や、二週間以上もの旅程で東北から北海道を周っている神奈川県のライダー(←羨ましい)、保健室の先生を目指して勉強中と言う根室の女の子(←生徒が羨ましい)など、皆それぞれのスタイルで旅を楽しんでいる。
私も残り半分となった北海道GTを、存分に楽しもう。