関越トンネルを抜けた途端、大粒の雨がボクスターの幌を叩く。
長岡付近まで来るとその雨は一層強まり、スリップ・サインの出始めたリア・タイヤの様を脳裏に浮かべつつ、アスファルトに溜まった水に足を取られないよう慎重に走る。
雨が止んだ新潟西ICで北陸自動車道をアウト、ガソリンを補給し、セブン-イレブンでカレーライスを平らげてから、フェリー・ターミナルへと向かった。
今日から、北海道へとグランド・ツーリングに出る。
北の大地を走るのは2年ぶり、週間天気予報を見る限りでは前回と比べて天気も良さそうだ。
私とボクスターを小樽港まで運んでくれるのは、今年3月に就航したばかりと言う新日本海フェリーの新造船、「らべんだあ」。
再び降り出した雨の中、低床車と判断されたボクスターは係員の誘導に従ってトラック等と同じ第二甲板へと乗船した。
この船は姉妹船の「あざれあ」と共にいわゆる雑魚寝部屋が無く、いちばん安い料金でもカプセル式の寝台となっている。
寝台があれば十分な私はもちろん最安のツーリストCクラスとし、短パン+ビーサン姿のリラックス・モードで定刻11時45分の出港を迎えた。
デッキに出て、売店で買った350ml缶のビール「サッポロ・クラシック」を飲む。
気温は25℃前後だろうか、殆ど揺れることもなく進む船の上で風に吹かれながら飲むビールは断言する、最高だ。
もうひとつ最高なのが、この新造船に設えられた露天風呂。
その存在は事前に知っており、とても楽しみにしていたとは言え、実際はその楽しみを軽くヴッコ抜いて遥か昇天に達するほどの気持ち良さであった。
もちろん温泉では無いものの、適温の湯に浸かりつつ、青空に浮かぶ白い雲や海原が流れていくのを呆けたように眺める。
不肖・私、これまでにドライブやツーリング先であちこちの露天風呂に入らせてもらったが、この船上露天風呂は確実に、三指に入ると強く思った。
入っては出ていく同乗の皆さんと楽しく話をしながら、結局2時間近くも風呂に入っていたのだ。
風呂に2時間なんて、いわゆる高級店もビックリである(意味不明)。
デッキで涼んでいると、露天風呂で一緒になった神奈川のおにいさんがやってきた。
誘われるままにビールを飲みながら話を聞けば、私より少し年下の彼も同じく独り旅、札幌でマラソンを走ってから道内を車中泊で周るのだと言う。
楽しく話をしてから互いの無事を祈りつつ解散し、船内で催されていたビンゴ大会に参加。
この手のクジ運がまったく無い私、今回もまた案の定、リーチにも届かずに大会は終了した(涙)。
アルコールに弱いクセに、「最高!」とか言いながら乗船以降ビールを2本も飲んでしまい、やや酩酊状態の51歳。
夜になってレストランで軽く晩飯を喰い、もう一度風呂に入ってからベッドに潜り込む。
まだ21時前だが、今朝は4時起き、明朝も3時半の起床予定である。
明日はどこを走ろう・・・と考える間も無く、爆睡。
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ということで、北海道を楽しく走ってきました。
差し支えなければ、オッサンのグランド・ツーリングにどうぞおつき合いください!