5台が揃ったところで、suite-spiralさんのルート・ガイダンスを受けて出発。
渋滞に見舞われることもなく、順調なハイウェイ・クルージングが続きます。
一宮御坂ICでアウト、まずはK36で山の中へと向かいますが、峠越えの屈曲路は小雨のウェット・コンディション。
一瞬、開け放っていたボクスターの幌を閉めようかとも思いましたが、停止しなければ車室内は濡れないレベルの雨だったため、そのまま走り続けました。
峠のトンネルを抜けると目論見通り雨は止んでおり、路面も概ね乾いています。
我々の他にクルマは走っておらず、ダウンヒルを存分に楽しむことができました。
R358を挟み、市川方面へと下る手前で小休止です。
今回のドライブは、数々のレアなクルマを持つsuite-spiralさんがまたもや買ってしまったマシーンのお披露目でもあります。
RUF・Rt12。
私はその存在すら知りませんでしたが、650ps、870Nm、361km/hと、この数値を見ただけでもキチゲーなクルマであることがよくわかります(←最上級の賛辞です。念のため)。
まず見ることができない、見れたとしてもサーキットやハイウェイ、或いはコレクターのガレージでしかお目にかかれない類のクルマなのに、狭隘区間もあるタイトなワインディングへと自ら好き好んでRt12を持ち込み、嬉々として走らせるsuite-spiralさん。
毎回思うのですが、やはりこの方、常人ではありません(汗)。
一緒に走るのは実に
7年ぶりの
ri-co父さん。
以前はALPINA B10 3.3に乗られていましたが、現在の愛車はALPINA B7!
ラジアル・コンプレッサーで加給される4.4リッターのV8エンジンは500ps&700Nm、これまた鬼のようなパワー&トルクです。
しかしながら皆さんは思われることでしょう、「いくら500psのエンジンでも、全長が5mを超え1.9mの全幅を持つBMW 7シリーズ・ベースの巨大なボディでは、山坂道なんぞマトモに走れるワケがなかろう」、と・・・。
・・・その考え、大間違いですよ!(汗)
こだまさんは、アウディ・S1スポーツバックに乗ってきました。
ラインアップ最小ボディのA1をベースに、231psの4気筒ターボ・エンジンとクワトロ・システムで武装。
低められた車高、ロー・プロファイルなタイヤ、クワッド・エキゾースト。
トランスミッションは6段マニュアルしか用意されていない、硬派のスポーツ・コンパクトです。
こだまさんとも長いおつきあいで、私がALPINA B3に乗っていた頃、彼のALPINA B3Sとは良く一緒に走らせてもらっていました。
S1は一度だけ拝見したことがあるものの、同道するのは今回が初めてなので、とても楽しみです。
ShimaさんのALPINAロードスターとは一緒に走る機会が多いので、普段はあまり意識していないものの、良く考えれば・・・いや、良く考えなくとも、実に希少な名車なんです。
ALPINA車としては異例にスポーティなセッティングなのですが、これは同世代のBMW Z4に当初Mモデルが存在しなかったので、その役をも担うためだったのではないかと思われます。
で、Z4 Mロードスターがデビューすると間もなく生産を終了、その数は全世界でわずか370台程度。
そんな貴重な一台だからこそ、ガンガン走らせなきゃもったいない・・・と仰るのはごもっともですが、それにしても走らせまくりすぎだと思いますよ、Shimaさん(笑)。
リスタートした5台は、K409で再び山の奥へ。
続くK414を含めて交通量は僅少、魅力的なルートを択んでくれたsuite-spiralさんに感謝しながら走りました。
最後尾から前を走るALPINA B7を追いますが、ストレートでの舌を巻くダッシュ力は当然のことながら、その巨躯を感じさせない曲がりっぷりにビックリ仰天。
もちろんロールはするものの、それはあたかも外側の後輪に荷重をかけるための、曲がるためのロールのように見えるのです。
そんなB7のテールに覚える強い既視感は、正にB3のそれでした。
山坂道で追いかけていた仲間のB3やB3Sの挙動と、ふたまわりも大きなB7の挙動とが、まるで同じように見えるのです。
ビッグ・リムジンであっても、やはりALPINAはALPINAなんだな・・・と言うよりri-co父さん、こんなにデカいクルマを狭いワインディングでそんなに振り回しちゃっていいんですか?(←いいんです!)
下界に出、R52からK421を抜けてK37の北上を開始します。
県道・南アルプス公園線は、その名の通り南アルプスの懐へと入っていく一本道。
途中から一般車輌は通行止めとなるのですが、それでも大いなる山々を眺めながら30km以上の爽快なノンストップ・ドライビングを楽しむことができました。
前を行くブラッド・オレンジのRUF・Rt12から放たれる排気音は低く野太く、オープン・トップの空から耳を介さずに直接脳味噌を共鳴させてきます。
しかしながらハーフ・ウェットな区間も多く、suite-spiralさんによれば、普通にアクセルを踏むだけでも滑るため、自重しながら走ったとのこと。
優秀なAWDシステムを持つとは言え、凄まじいパワー&トルクのツインターボ・エンジンを積み、ドライ・グリップ最優先のミシュラン・パイロットスポーツ・カップを履いているワケですから、そりゃ滑りますよね(汗)。
ここから先が通行止めとなる奈良田温泉に到着、早川町営の日帰り入浴施設「
奈良田の里温泉」に立ち寄ります。
ヌルヌル系の掛け流し温泉はとても気持ちよく、オッサン5名は楽しく語らいながら檜風呂にゆったりと浸かりました。
風呂から上がり、B7にチョイ乗りさせてもらうことになります。
オーナー・ドライバーのri-co父さんを駐車場に残し(笑)、4名乗車のB7をほんのちょっとだけ走らせました。
完全無欠の高級車で極めて静かなのに、遠くで鳴っているスーパーチャージドV8エンジンの存在感がハンパ無い(汗)。
荒れた路面をまったく感じさせない超フラットな乗り心地は、21インチ・ホイールにサンマル&サンゴー・タイヤを巻いていることが俄かには信じられないほどのレベルなのでした。
昼飯を喰うべく、K37を戻ります。
こだまさんがドライブするアウディ・S1は、軽いロールを伴いながらスーッと曲がり、いつの間にか次のコーナーへのアプローチに入っています。
S1に限らず、昔からこだまさんの走りはとてもスムーズで、彼の後ろをトレースするとコーナーがとても走りやすく感じられるのです。
それは限られた車線幅の中でもベストなライン取りをしているからなのでしょう、クリッピング・ポイントに残る水溜りを蹴散らして走るS1の姿が実に印象的でした。
suite-spiralさんに連れてきてもらったのは、下部温泉の「かど久」。
注文を受けてから大ぶりの野菜を煮込み始めるという甲州ほうとうは、待ち時間も苦にならない旨さでした。
汗を拭きながら店を出、渋滞を避けるべくそろそろ帰路に就こうということになり、R300を走ります。
クルマの多い富士山麓のR139で河口湖ICへ、中央道は早くも本線の渋滞が始まっていましたが、まだそれほど酷いものではありません。
1台また1台と手を振って別れ、首都高を走って自宅最寄のランプを降り、楽しかった今日一日を反芻しながら、コイン洗車場でボクスターの泥汚れを落とすのでした。
本日の走行距離や平均速度は・・・カウントし忘れました(汗)。
が、帰宅後の充足感からしても、山梨のワインディングを気持ちのいいペースで走りまくったことは間違いありません。
suite-spiralさん、皆さん、安全で楽しいドライブをありがとうございました。
それぞれのクルマが素晴らしいのはもちろんですが、私が共に走ったことを感謝するのは、クルマではなくやっぱりドライバーたる仲間たちです。
いずれまた、一緒に走りましょう!