着岸、下船。
天候は晴れ&曇りですが、イメージと違って朝っぱらからかなり蒸し暑く、幌を下ろすとステアリングを握る手がじんわりと汗ばんできます。
それでも東京と較べれば圧倒的に快適で、R5からR337→R231と、混雑の始まった街を離れ日本海側を北上していきました。
最北への行程はざっくり言って沿岸ルートと内陸ルートがあるのですが、今回は内陸をしばらく走ってから沿岸に出ることに決定。
厚田から海に背を向けて、D11で無人の山間へと走り込んでいきます。
手応えのある中速ワインディングが続きますが、路面がうねっている箇所も少なくはなく、油断は禁物。
対向車線をカッ飛んでいく地元ライダーに敬意を払いつつ、K28との交点まで走りました。
駐車広場でひとやすみ、厚田のセイコーマートで仕入れてきたホットシェフおにぎりを頬張ります。
うーん、旨い!
続くK28もまた、無人状態。
沿道には何もなく、いかにも北海道らしい高速ワインディングを大いに堪能しながら走りました。
一時停止から右折したR451、アンジュレーションだらけだった昔の路面はほぼ改修されており、稲作地帯を抜けて滝川の手前まで出ます。
参考までに申し上げますと、沿岸の厚田からここまでの60km余、信号はひとつもありませんでした(笑)。
幹線のR275をのんびりと北上し、日本一を謳う北竜町のひまわり畑に寄ってみます。
さすがに盛りは過ぎていましたが、最後のひまわりが咲く畑の周囲には、雄大な緩斜面の景色が拡がっていました。
つづく寄り道は、留萌本線の恵比島駅跡。
昭和情緒たっぷりの駅舎はドラマのロケに使われていたらしく、根室本線の幾寅駅と同様、劇中の駅名「明日萌」がそのまま掲げられています。
カーナビのデータとツーリングマップル北海道版、いずれも2018年度版しか持たない私は知る由もありませんでしたが(汗)、この駅を含む留萌本線の一部区間は、今年の4月1日に廃止されたばかりなのだそうです。
なんだか寂しいですね・・・。
2車線のアスファルトはホロピリ湖を越え、緩いアップダウンを伴いながらボクスターを望むがままのペースで走らせてくれます。
達布の集落からはD126→D742、引き続き走り放題走っていきますが、途中からいきなり雨が降り出しました。
仕方なく幌を上げ、強まる雨の中をR239に入り沿岸方面へと走ります。
ところが山を出て苫前まで下るうちに雨は唐突に止み、晴れ間さえも見えてきます。
北海道は走っているうちに天気がズバッと変わることを、上陸初日の午前中に早くも思い出させてくれたのでした。
R232を羽幌まで走ったところで、昼飯を喰うことにします。
町外れに佇む「食事処 かつ亭」は、そもそも営業してるんだかしてないんだかわかりませんでしたが(笑)、中から出てきたおばちゃんが駐車場を案内してくれました。
極めてブイシーな店内で扇風機の風に当たりながら、カツ丼を発注。
玉子でとじずに載せられたカツもご飯もかなりのボリュームで、ガス欠状態から一気に満タンとなりました(笑)。
D971をドン突きまで6km走って温泉宿に到着、風呂に入らせてもらったのですがこれがビックリ。
内湯は真っ赤で露天風呂は真っ黒と、まったく異なる二つの湯が満たされているのです。
複数の源泉を持つ温泉は他にもありますが、ここまで極端に違うのは初めてです。
いずれも強烈なキャラクターで、特に露天の黒湯には油分がたっぷりと含まれているかのような印象がありました。
一軒宿としてのロケーションも素晴らしく、いつか泊まりに来ようと思います。
ここから先のD106が、オロロンラインのハイライト。
オトンルイ風力発電所を過ぎ、道はなおも水平線と地平線の彼方へと延びていますが、いったんD972で内陸へと向かい、幌延からD121を経て落合広域農道を走ります。
誰もいない・・・いや、牛しかいない広大な牧場の中をのんびりと流すのは、とても気持ちいいですねぇ。
豊富のエネオスで給油をしていると、その片隅にコイン洗車マシーンがあります。
バッタを始め、様々な虫の死骸がこびりついたフロント部をキレイに洗い流してやりました。
スッキリしたところで、サロベツ原野を貫くストレート/D444で再び海岸線に出て、曇天のオロロンラインを軽く走ってから宿に向かいました。
民宿「あしたの城[ジョー]」は、道道から狭い未舗装路を上がった先、緑の丘の上に建つ一軒宿。
数えてみたら、今回でもう4回目の宿泊です。
夕方になると快適なレベルにまで気温は下がり、駐車場で暴れていたアブの大群もいなくなりました。
今宵の客は、家族4人が一組とソロライダー2人、仕事兼旅行者が1人、および私の計8人。
独り旅の4人は同じテーブルを囲み、ビール片手に楽しく話をしながら旨い手料理をたらふく喰いました。
宿にエアコンはありませんが、窓を開けていれば扇風機さえも要らない涼しさです。
パンイチ姿で布団にくるまり、あっという間に爆睡することとなりました。
本日の走行距離は、459km。
走行時間は7時間21分、平均燃費は12.9km/lでした。
今回は2時間遅れの上陸&スタートとなりましたが、そのことを忘れるほど、ガッツリと楽しく走ることができました。
この程度のビハインドはモノともしない懐の深さが、北海道ツーリングの魅力のひとつなのだと思います。