「ポルシェ・718ボクスター」に試乗してきました。
この日は718ボクスターのデビュー・フェアということで、全国のポルシェ正規販売店で試乗が開始されたとの由。
買い換える予定のまったく無い私が試乗させていただくのは大変申し訳ないのですが、クルマ仲間のKさんとともにワクワクしながらディーラーに到着しました。
ちなみにKさんは、ポルシェ・ケイマンのオーナー・ドライバー。
2.7リッター、最後の自然吸気式フラット・シックスを積む981型ボクスター/ケイマンに乗るオッサン二人は、どうしても新型エンジンへの興味を抑えることができなかったのです(笑)。
試乗車の718ボクスターは、2リッター・エンジン+PDKの右ハンドル仕様。
新型かどうかは関係なく、黄色いボクスターってカッコいいなぁというのが第一印象でした(笑)。
外観は写真などで見ていた通りで、全体的には自身のボクスターと比較してフェイスリフト・レベルの違いしか感じられないものの、サイド・インテークがかなり大きくなっていることがターボ化を強く窺わせます。
新デザインの19インチ・ホイールに巻かれていたのは、今回新たにOE採用されたというヨコハマ・アドバンスポーツV105。
スポーツクロノ・パッケージを装備しPASMは非装着、インテリア・トリムはよくわかりませんが有償のオプションが選択されているものと思われます。
ということで屋根を開け、ディーラーのパーキングを後にしました。
混雑する土曜日の都心部、乗車時間は一人20分。
私は、そんな状況下の試乗だけで自動車評論家バリにそのクルマを語れるような超能力者でも詐欺師でもありません(笑)。
しかも交互にステアリングを握ったKさんともども、どうしても「981のオーナー・ドライバーの目線」で見ることしかできないのです。
981型から982型へフルモデル・チェンジ(マイナー・チェンジだと思っていました)をするにあたり、内外装だけでなくサスペンション・セッティングやステアリング・スピード、ブレーキなども見直されたと聞きますが、正直、そのあたりについては何も違いを感じることができませんでした。
ま、何日何百km走らせても、私にゃ違いがわからないと思いますけどね・・・(涙)。
しかしながら自分のボクスターと較べて唯一、そして想像以上に違うと感じたのは、やはりエンジンです。
優秀なデュアル・クラッチ・トランスミッションが制御してくれているためもあるのでしょう、街中をチンタラ走る982は実に静かで快適です。
担当営業の方によれば、低回転域から十分なトルクが出ていることもあり、PDKのシフトアップ・ポイントは981よりも低めに設定されているのだそうです。
しかしそんなんじゃつまんないのでスポーツ・モードにスイッチし、安全を確認しつつゼロ・スタート+フル・スロットル!
982はほんの一瞬のタメの後に、猛然と加速を開始しました。
予想通りその加速力はやはり981の比ではなく、掛け値なしの速さを体感することができます。
アクセル・ペダルの踏みこみ量&エンジン回転数に呼応して速度が乗ってくる981に対し、982はもういきなり速く、自分が踏んでいる以上のスピードが出ているように感じるのです。
スロットルに対するリニアリティやレスポンスは981のほうが上だと感じられるものの、982にはそんな価値観をモノともしない問答無用の速さがあるんですねぇ。
982には2.5リッターの「718ボクスターS」もありますが、2リッター・モデルで十分です・・・というより、Sモデルのパワー&トルクなんて絶対に使い切れないだろ、とマジで思いました。
ちなみに発進時のタメはいわゆるターボ・ラグなのかPDKのシフト・ラグなのか、「NA+MT一筋30年(汗)」の私にはわかりません。
いずれにせよ、意図的なスタート・ダッシュ時に急激に深くアクセルを踏んだ時のみの「気のせいか?」レベルであり、私が左足で半クラッチをつなぐ時間よりは全然短いハズです(笑)。
そして、音。
試乗準備のためにディーラー・スタッフの方にエンジンをかけられた982のスタート・アップ・サウンドは、「♪ボロロロン」とやや哀しげな音でした(笑)。
しかし個人的には車外で聞こえる音はどうでもよく、運転者としてクルマの中で感じるサウンドがドライビング・プレジャーを左右すると思っています。
で、前述のフル・スロットル時、ソフト・トップを開け放った982のコクピットに響いてきたのは、「ブロロロロロロ~」と野太く大きな排気音でした。
音をテキストで表現するのは極めて困難であることを承知で書きますが、981では「クォーーーン!」と粒の揃った金属質のサウンドが聴こえてきます。
エンジン音と排気音とが重なり、それがゾクゾクするような和音となって、回転に比例し音階と音量が上がっていくのです。
一方の982は、1オクターブほども低い排気音がかなりの音量で轟きます。
アクセルを開けると音はどんどん大きくなり、それはもはや2リッター・エンジンとは思えないほどのド迫力。
もちろんエンジンも鳴っているのでしょうけれど、そのサウンドは殆ど耳には届かず、あくまで「エグゾースト・ノート一本勝負!」という感じでした。
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あっという間にタイム・アップ、後ろ髪を引かれつつ982をディーラーに返却。
わずか2年間ながらも981に乗っている私としては、とにかくエンジンの違いに驚かされた試乗となりました。
新開発ということで当然なのかもしれませんけど、フラット・フォー・ターボのサウンドやパワー・デリバリーに、従前のMA122型エンジンの面影はもうまったく、何一つ残っていません。
当初は、「ほぼ同じシャシー/ボディなのに、新エンジンを積んだだけで『フルモデル・チェンジ』は言い過ぎだし、わざわざ車名を変更する必要もないだろ」と思っていたのですが、試乗を終えてKさんと二人、「これはもはや981とは別のクルマだな・・・」と意見の一致を見たほどです。
ひょっとすると、987から981へのモデル・チェンジよりも、981から982への変更のほうが、乗り味やフィーリング面での変化は大きいのかもしれません。
ポルシェが車名まで変えたのはマーケティング上の理由によるものだとばかり思っていたのですが、それだけじゃないんだなという気がしました。
営業担当の方に話を聞くと、一般向けの試乗は本日からであるにもかかわらず、2月にスタートした982型718ボクスター・シリーズの受注は大変好調なのだそうです。
いや~、何だか嬉しいですねぇ(笑)。
現車を見る前に981からの買い換えを決めたお客さんもいらっしゃるとのことですが、それだけパワーやトルク、エミッション面でのスペック向上が評価されているということなのでしょう。
実際、双方のモデルがここまで違うと、4気筒ターボのパフォーマンスやサウンドが好みだという理由で981から982へ買い換える人がいても不思議ではありませんし、逆に981のディーラー在庫車を探し始める人もいるんじゃないかと思います。
良し悪しではなく、好みの問題ですからね。
ちなみに私は、エンジンだけでなくエクステリア等を含めて981のほうが好みです。
なので、万が一カネが有り余っていたとしても、982に買い換えることはありません。
もちろんパワーもトルクも982には到底敵いませんが、私ゃ屋根を開けてフラット・シックスの奏でる音を聴きながらノンビリ走るのが好きなので、981でいいんです(笑)。
買い換える予定のまったく無い私が試乗させていただくのは大変申し訳ないのですが、クルマ仲間のKさんとともにワクワクしながらディーラーに到着しました。
ちなみにKさんは、ポルシェ・ケイマンのオーナー・ドライバー。
2.7リッター、最後の自然吸気式フラット・シックスを積む981型ボクスター/ケイマンに乗るオッサン二人は、どうしても新型エンジンへの興味を抑えることができなかったのです(笑)。
試乗車の718ボクスターは、2リッター・エンジン+PDKの右ハンドル仕様。
新型かどうかは関係なく、黄色いボクスターってカッコいいなぁというのが第一印象でした(笑)。
外観は写真などで見ていた通りで、全体的には自身のボクスターと比較してフェイスリフト・レベルの違いしか感じられないものの、サイド・インテークがかなり大きくなっていることがターボ化を強く窺わせます。
新デザインの19インチ・ホイールに巻かれていたのは、今回新たにOE採用されたというヨコハマ・アドバンスポーツV105。
スポーツクロノ・パッケージを装備しPASMは非装着、インテリア・トリムはよくわかりませんが有償のオプションが選択されているものと思われます。
ということで屋根を開け、ディーラーのパーキングを後にしました。
混雑する土曜日の都心部、乗車時間は一人20分。
私は、そんな状況下の試乗だけで自動車評論家バリにそのクルマを語れるような超能力者でも詐欺師でもありません(笑)。
しかも交互にステアリングを握ったKさんともども、どうしても「981のオーナー・ドライバーの目線」で見ることしかできないのです。
981型から982型へフルモデル・チェンジ(マイナー・チェンジだと思っていました)をするにあたり、内外装だけでなくサスペンション・セッティングやステアリング・スピード、ブレーキなども見直されたと聞きますが、正直、そのあたりについては何も違いを感じることができませんでした。
ま、何日何百km走らせても、私にゃ違いがわからないと思いますけどね・・・(涙)。
しかしながら自分のボクスターと較べて唯一、そして想像以上に違うと感じたのは、やはりエンジンです。
優秀なデュアル・クラッチ・トランスミッションが制御してくれているためもあるのでしょう、街中をチンタラ走る982は実に静かで快適です。
担当営業の方によれば、低回転域から十分なトルクが出ていることもあり、PDKのシフトアップ・ポイントは981よりも低めに設定されているのだそうです。
しかしそんなんじゃつまんないのでスポーツ・モードにスイッチし、安全を確認しつつゼロ・スタート+フル・スロットル!
982はほんの一瞬のタメの後に、猛然と加速を開始しました。
予想通りその加速力はやはり981の比ではなく、掛け値なしの速さを体感することができます。
アクセル・ペダルの踏みこみ量&エンジン回転数に呼応して速度が乗ってくる981に対し、982はもういきなり速く、自分が踏んでいる以上のスピードが出ているように感じるのです。
スロットルに対するリニアリティやレスポンスは981のほうが上だと感じられるものの、982にはそんな価値観をモノともしない問答無用の速さがあるんですねぇ。
982には2.5リッターの「718ボクスターS」もありますが、2リッター・モデルで十分です・・・というより、Sモデルのパワー&トルクなんて絶対に使い切れないだろ、とマジで思いました。
ちなみに発進時のタメはいわゆるターボ・ラグなのかPDKのシフト・ラグなのか、「NA+MT一筋30年(汗)」の私にはわかりません。
いずれにせよ、意図的なスタート・ダッシュ時に急激に深くアクセルを踏んだ時のみの「気のせいか?」レベルであり、私が左足で半クラッチをつなぐ時間よりは全然短いハズです(笑)。
そして、音。
試乗準備のためにディーラー・スタッフの方にエンジンをかけられた982のスタート・アップ・サウンドは、「♪ボロロロン」とやや哀しげな音でした(笑)。
しかし個人的には車外で聞こえる音はどうでもよく、運転者としてクルマの中で感じるサウンドがドライビング・プレジャーを左右すると思っています。
で、前述のフル・スロットル時、ソフト・トップを開け放った982のコクピットに響いてきたのは、「ブロロロロロロ~」と野太く大きな排気音でした。
音をテキストで表現するのは極めて困難であることを承知で書きますが、981では「クォーーーン!」と粒の揃った金属質のサウンドが聴こえてきます。
エンジン音と排気音とが重なり、それがゾクゾクするような和音となって、回転に比例し音階と音量が上がっていくのです。
一方の982は、1オクターブほども低い排気音がかなりの音量で轟きます。
アクセルを開けると音はどんどん大きくなり、それはもはや2リッター・エンジンとは思えないほどのド迫力。
もちろんエンジンも鳴っているのでしょうけれど、そのサウンドは殆ど耳には届かず、あくまで「エグゾースト・ノート一本勝負!」という感じでした。
---
あっという間にタイム・アップ、後ろ髪を引かれつつ982をディーラーに返却。
わずか2年間ながらも981に乗っている私としては、とにかくエンジンの違いに驚かされた試乗となりました。
新開発ということで当然なのかもしれませんけど、フラット・フォー・ターボのサウンドやパワー・デリバリーに、従前のMA122型エンジンの面影はもうまったく、何一つ残っていません。
当初は、「ほぼ同じシャシー/ボディなのに、新エンジンを積んだだけで『フルモデル・チェンジ』は言い過ぎだし、わざわざ車名を変更する必要もないだろ」と思っていたのですが、試乗を終えてKさんと二人、「これはもはや981とは別のクルマだな・・・」と意見の一致を見たほどです。
ひょっとすると、987から981へのモデル・チェンジよりも、981から982への変更のほうが、乗り味やフィーリング面での変化は大きいのかもしれません。
ポルシェが車名まで変えたのはマーケティング上の理由によるものだとばかり思っていたのですが、それだけじゃないんだなという気がしました。
営業担当の方に話を聞くと、一般向けの試乗は本日からであるにもかかわらず、2月にスタートした982型718ボクスター・シリーズの受注は大変好調なのだそうです。
いや~、何だか嬉しいですねぇ(笑)。
現車を見る前に981からの買い換えを決めたお客さんもいらっしゃるとのことですが、それだけパワーやトルク、エミッション面でのスペック向上が評価されているということなのでしょう。
実際、双方のモデルがここまで違うと、4気筒ターボのパフォーマンスやサウンドが好みだという理由で981から982へ買い換える人がいても不思議ではありませんし、逆に981のディーラー在庫車を探し始める人もいるんじゃないかと思います。
良し悪しではなく、好みの問題ですからね。
ちなみに私は、エンジンだけでなくエクステリア等を含めて981のほうが好みです。
なので、万が一カネが有り余っていたとしても、982に買い換えることはありません。
もちろんパワーもトルクも982には到底敵いませんが、私ゃ屋根を開けてフラット・シックスの奏でる音を聴きながらノンビリ走るのが好きなので、981でいいんです(笑)。