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グランド・ツーリング2021春【7】四国の海、四国の川 [drive/touring]

愛媛県、権現温泉の朝は予報通りの雨。

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朝食はなんと6時からOKとのことだが、まずは朝風呂にゆっくり浸かって6時半からいただくことにした。
広くキレイな建屋に二食部屋出しの旨い食事、温かなホスピタリティ。
これで1万円以下とは素晴らしい、ドラ宿としても最高の部類に入ると思う。

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小雨がそぼ降る中、通勤時間帯&事故で混雑する松山市内を脱出し、R378でようやく海沿いに出る。
「夕やけこやけライン」と名付けられたこの道は、信号も少ない文字通りのシーサイド・ロード。
沖合いに霞む島を眺めつつ、のんびりと走る。
海にいちばん近いと言われるJR下灘駅は、観光客と思われる3人の女の子がいなくなると、私独りだけとなった。
雨は少し前から止んでいる。
R378に戻り、幌が乾いたことを確認してからトップを下ろす。
冷たく湿った風が、実に心地良い。

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八幡浜の街を抜け、今日は久しぶりにR378を走る。
橋もトンネルもなく、複雑な海岸線をそのままトレースするこの道は、本GTの目的路のひとつでもあるのだ。
少しずつ晴れてきた空を映す穏やかな宇和海を常に右手に眺めながら、改良済みの2車線路でアクセル・ダッシュ、未改良の1.5車線路でハンドリング・ダンス。
狭い集落で対向車に出くわしても、ハンド・サインとクラクションとで温かく離合する。
海の景色とワインディング・ランを50km以上も楽しめる、R378。
いずれまた走りに来よう、と心に決めた。

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K45に入り一転、海岸線からグネグネの峠道を駆け上がる。
空はすっかり晴れ渡り、沿道には桜が咲き、眼下には海が輝いている。
2速のエンジン・サウンドが轟き、桜花混じりの暖かな風がボクスターのキャビンを舞い、オッサンを浄化してゆく。
素晴らしいとは、こういうことだ。
あまりに素晴らしくて、往復してしまったほどだ。

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トンネルで野福峠を越え、R56を南下。
R320を東へと走り、空腹を堪えながら、クルマも疎らな鬼北総合公園のパーキングにボクスターを駐めた。
13時半から、会議に参加しなければならないのだ。
PCを開いてネットワークにログオン、周囲に誰もいないことを確認しながら発言し、約1時間のビデオ会議は終了。
本来、旅先で仕事などしたくはないのだが、リモート環境が整ったおかげで、逆にこうして旅に出ることができたのだ。
それでは、ツーリングを再開しよう。

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R381は、桜咲く超絶の快走路。
愛媛県から高知県に入り、四万十川に沿ってあったまパーになるレベルの4速ドライビングが続くのだ。
あまりに走りまくれるので、自制の意味も込めていったん現道を離れ、旧道を探索する。
狭く苔むし荒れた道は、おそらく旧R381なのであろう。
もはや沿道には何もないが、90年代の終り頃に独りE36型BMW M3でこの辺りを走り、小さな民宿に泊まったことを思い出した。
四万十川と言えば、沈下橋である。
以前にも訪れたことのある茅吹手[かやぶくて]の沈下橋は、地元の軽トラが渡っていくともう誰もいない。
清流のせせらぎと、トンビやウグイスの声が聴こえるのみである。
春の陽射しが降り注ぎ、時間がゆっくりと流れていった。

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R381に復帰。
沿道には並木の桜が咲き誇っており、バック・ミラーに撒き上げたその花弁を踊らせながら、ボクスターは走った。
終着の窪川に達したところで、高知市内の宿へ向かうこととする。
夕刻が迫りつつあるが、幹線のR56や高知自動車道は使わず、超遠回りを承知の上、無人のK19で四万十川源流へと遡るように走った。
農村地帯の2車線路をマイペースで快走していくと、いきなり1車線になるのはお約束。
切通しのような狭く暗い山間路を辿り、再び明るいカントリー・ロードに出て、アクセルを開け続ける。
R197に合流するまでの間、実に強烈なドライビング体験であった。

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須崎からは高知自動車道で一気に高知市内までワープし、日没の頃に「ホテル高砂」へ到着。
昨日予約したのは素泊まり&駐車代6,130円のプランだが、角部屋の和室は8畳に広縁がついており、極めて広い。
着替えが底をついたので、フロントで教えてもらったコイン・ランドリーで洗濯機を回しつつ、近くの「屋台 安兵衛」で晩飯だ。
餃子が旨いと聞いてきたのだが、パリッとした揚げ焼きの皮にトロトロの餡がくるまれており、そりゃもう旨いのなんのって奥さん嗚呼ッ。
ビール片手に小ぶりながら7個入りの餃子を5皿も喰ってしまい、大満足で店を後にした。
乾燥を済ませた洗濯物を抱えてホテルに戻り、最上階の大浴場へと赴く。
熊本からやってきたという同浴の方とお話しさせていただきつつ、のんびりと湯舟に浸かってリラックス。
いや~、今日も楽しかった!


本日の走行距離は、381km。
走行時間は8時間03分、平均速度は49km/h。
平均燃費は、11.6km/lであった。

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コメント 4

Dion

旅先でのお仕事お疲れ様です。(笑)
海沿いの景色も狭路もいいですが、
満開の桜咲く道を走り抜ける快感、羨ましい限りです。
来年あたり私も狙って出掛けてみたいです。
沈下橋の景色、覚えています。
春のGTもそろそろ終わりに近づいているいるのでしょうか。
美しい情景のGTまだまだ終わって欲しくないです。
by Dion (2021-04-11 22:09) 

wata

Dionさん、こんにちは。

今回のGTは、旅をしているうちにどこかで満開のタイミングに出会えるかもな・・・ぐらいに思っていたのですが、ラッキーなことにあちこちで全開の桜を目にすることができました。
翌日も含め、公園や街中よりも駆け抜ける沿道を飾ってほしい、と思うクルマ乗りの願望が叶いまくりましたよ。
ちなみにGTは残り3日、最終日は帰京のみですので実質あと2日間です。
最後までおつきあいいただければ幸いです!

by wata (2021-04-12 22:32) 

忠

こんにちは。

何時か行ってみたい沈下橋ですが、地図を見ると茅吹手と里川沈下橋をぐるっと一周しているんですね。やっぱり沈下橋と車は絵になります。
by 忠 (2021-04-13 08:52) 

wata

忠さん、こんにちは。

ルートマップ、細かいところまで見ていただきありがとうございます!
里川沈下橋は歩行者や自転車等しか通行できないため立ち寄っておらず、たまたま隣の橋を渡っただけです。
ちなみにその里川沈下橋は一部が流失しており、復旧工事の最中でした(涙)。

by wata (2021-04-13 22:21) 

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