グランド・ツーリング2021春【2】昇天街道を行く [drive/touring]
5時半に起床。
肌寒い六甲山中腹のベランダに出て歯を磨いているうちに、東の山から朝日が昇ってきた。
空は快晴に近いが、今日明日はどこもかしこも雨の予報で逃げ場はない。
であれば降り出す前にたくさん走っておこうと、身支度を整えて6時過ぎに宿を出た。
夜露の降りていない幌を降ろし、山を下って西宮北ICから中国自動車道を西に向かう。
クルマは少なくないものの、関西の皆さんはなっかなかのペースで走りよるからワテもアクセルグワー開けたったでぇ。
福崎JCTからは播但連絡道路を北上し、神崎南ICでアウト。
ここからが、グランド・ツーリングの本番だ。
いつの間にか一面が雲に覆われた空の下、誰もいないK8で山越えのワインディング・ランが始まった。
7年前と同様、未改良の屈曲路がタップリと残されており、2速のボクスターは素晴らしいエンジン・サウンドと共に駆け上がっていく。
坂ノ辻峠を越えてダウンヒル、町に出てR29を北上し、R429で再び山の中へ突入。
鳥ヶ峠を下ったところの集落にある小さな神社の駐車場をお借りして、仕入れてきたコンビニのおにぎりで朝食だ。
ひとっ走りした後の静かな環境で喰えば旨さは倍増、こうした些細なことでも旅に出た実感が湧いてくるのだ。
喰い終わったら手を洗って拝殿に詣で、二礼二拍一礼で旅の無事を祈ってからリスタートした。
R429を行くボクスターはタフなコーナーを重ねて高度を稼ぎ、志引峠で岡山県に突入した。
森の中を快調に駆け下り、大原の街からはK5をのんびりと南下。
R179から分かれたR360、続くK46は無人の狭い山道で、これまた旅情満点である。
K90を西へ走り、広狭混在のR484を西に走り続け、武部からはいよいよ吉備高原北部広域農道だ。
この道は通称「奥吉備街道」、またの名を「昇天街道」と言い（←言わない）、今回のGTの目的路のひとつでもある。
誰もいない山の中、適度に曲がりかつアップダウンを有する完全2車線のアスファルトが、彼方へと伸びている。
コーナーを3速で、ストレートを4速で、走り放題にも程があるほど走った。
有漢からはK49→K169→K309とローカル県道を結んで走るも、ポツポツと落ちてきた雨が本降りとなり、ルーフ・クローズとなる。
無念ではあるが、ここまで屋根を開けて走ることができたのだ、良しとせねばなるまい。
続いて備中中部広域農道、通称「かぐら街道」にアタック。
ループ橋で一気に高度を稼ぎ、濡れた路面に注意を払いながら、尾根伝いの豪路を疾走する。
この「奥吉備街道＋かぐら街道」の岡山広域農道コンボを超える快走ルートは、自身のドライブ歴を振り返ってもなかなか思いつかない。
岡山県と言えば桃太郎・・・ではなく、「岡山県と言えば、広域農道！」と皆が口を揃えて言う所以［ゆえん］である（←言わない）。
快走の途中、K300で脇道探訪に入る。
岩に穿ったトンネルなど迫力満点の峡谷が続くが、あまりに狭く険しいので引き返した。
広域農道の終着からK33→K106と南下していくと、続くK299が通行止となっている。
看板の指示に従い迂回路を行くものの、これがとてつもないガッタガタの屈曲狭隘路なのだ。
この迂回路の迂回路はないのか？と本気で看板を探すレベルである。
幸いなことに雨は上がっていたため、生乾きの幌を下ろして周囲の視界を確保、四方と路面とに注意を払いながらノロノロと進んでいく。
いやもう、ボクスターで走れる限界の道であった。
何とか現道に復帰、極悪路から解放されてK77を快走。
空には晴れ間も見えており、尾根伝いの道からは遠くの山々を眺めることができる。
そのまま広島県に突入し、K9→K106と山の中を走り続けた。
ドライブは文句なく楽しいのだが、R182からK259を走る頃には14時前となり、昼飯抜き故に腹が減って仕方がない。
Google検索で見つけた山の中のうどん屋「お食事処 山小屋」へと赴くが、店のおばちゃんはいるものの臨時休業（涙）。
空きっ腹を抱えてK417→K402→K24と南下、再び降り出した雨に幌を閉め、K56からK404を経てR184で宿のある御調［みつぎ］の街に出た。
街中の小さなお好み焼き屋「かわもと」に、赤い暖簾がかかっている。
中途半端な時刻ではあったが、漂うソースの香りに空腹のオッサンが勝てるはずもなく、迷わず入店した。
客は私一人、店のおばちゃんに豚玉そばの広島風お好み焼きを焼いてもらい、鉄板の熱で汗びっしょりになりながら、アツアツをハフハフと貪り喰う。
後から来た地元客と思しき女性から「駐車場のクルマ、ポルシェですよね？いや～、あんなんこの辺で見たことないわぁ」と声をかけてもらったことをキッカケに、三人で楽しく話をしながら、おいしくいただくことができたのであった。
近くのエネオスで給油を済ませ、「尾道ふれあいの里」にチェック・イン。
ツイン・ルームに荷物を放り出し、日帰りのお客さんに混じって大浴場で汗を流し、露天風呂でのんびりと寛ぎながら袋の皺を大いに伸ばした。
夕食なしのプランなので、館内の居酒屋で独り生ビールを呑み、カツカレーを喰う。
お好み焼きがまだ腹に残っていたため、これだけですっかり腹一杯になった。
今日は思ったほど降られなかったが、今夜から明日にかけてはまとまった雨が降るのだという。
ま、晴れる日もありゃ降る日もあるのがツーリング。
引き続き、安全に楽しく走ろうと思う。
本日の走行距離は、408km。
走行時間は7時間26分、平均速度は56km/h。
平均燃費は、10.3km/lであった。
肌寒い六甲山中腹のベランダに出て歯を磨いているうちに、東の山から朝日が昇ってきた。
空は快晴に近いが、今日明日はどこもかしこも雨の予報で逃げ場はない。
であれば降り出す前にたくさん走っておこうと、身支度を整えて6時過ぎに宿を出た。
夜露の降りていない幌を降ろし、山を下って西宮北ICから中国自動車道を西に向かう。
クルマは少なくないものの、関西の皆さんはなっかなかのペースで走りよるからワテもアクセルグワー開けたったでぇ。
福崎JCTからは播但連絡道路を北上し、神崎南ICでアウト。
ここからが、グランド・ツーリングの本番だ。
いつの間にか一面が雲に覆われた空の下、誰もいないK8で山越えのワインディング・ランが始まった。
7年前と同様、未改良の屈曲路がタップリと残されており、2速のボクスターは素晴らしいエンジン・サウンドと共に駆け上がっていく。
坂ノ辻峠を越えてダウンヒル、町に出てR29を北上し、R429で再び山の中へ突入。
鳥ヶ峠を下ったところの集落にある小さな神社の駐車場をお借りして、仕入れてきたコンビニのおにぎりで朝食だ。
ひとっ走りした後の静かな環境で喰えば旨さは倍増、こうした些細なことでも旅に出た実感が湧いてくるのだ。
喰い終わったら手を洗って拝殿に詣で、二礼二拍一礼で旅の無事を祈ってからリスタートした。
R429を行くボクスターはタフなコーナーを重ねて高度を稼ぎ、志引峠で岡山県に突入した。
森の中を快調に駆け下り、大原の街からはK5をのんびりと南下。
R179から分かれたR360、続くK46は無人の狭い山道で、これまた旅情満点である。
K90を西へ走り、広狭混在のR484を西に走り続け、武部からはいよいよ吉備高原北部広域農道だ。
この道は通称「奥吉備街道」、またの名を「昇天街道」と言い（←言わない）、今回のGTの目的路のひとつでもある。
誰もいない山の中、適度に曲がりかつアップダウンを有する完全2車線のアスファルトが、彼方へと伸びている。
コーナーを3速で、ストレートを4速で、走り放題にも程があるほど走った。
有漢からはK49→K169→K309とローカル県道を結んで走るも、ポツポツと落ちてきた雨が本降りとなり、ルーフ・クローズとなる。
無念ではあるが、ここまで屋根を開けて走ることができたのだ、良しとせねばなるまい。
続いて備中中部広域農道、通称「かぐら街道」にアタック。
ループ橋で一気に高度を稼ぎ、濡れた路面に注意を払いながら、尾根伝いの豪路を疾走する。
この「奥吉備街道＋かぐら街道」の岡山広域農道コンボを超える快走ルートは、自身のドライブ歴を振り返ってもなかなか思いつかない。
岡山県と言えば桃太郎・・・ではなく、「岡山県と言えば、広域農道！」と皆が口を揃えて言う所以［ゆえん］である（←言わない）。
岩に穿ったトンネルなど迫力満点の峡谷が続くが、あまりに狭く険しいので引き返した。
広域農道の終着からK33→K106と南下していくと、続くK299が通行止となっている。
看板の指示に従い迂回路を行くものの、これがとてつもないガッタガタの屈曲狭隘路なのだ。
この迂回路の迂回路はないのか？と本気で看板を探すレベルである。
幸いなことに雨は上がっていたため、生乾きの幌を下ろして周囲の視界を確保、四方と路面とに注意を払いながらノロノロと進んでいく。
いやもう、ボクスターで走れる限界の道であった。
何とか現道に復帰、極悪路から解放されてK77を快走。
空には晴れ間も見えており、尾根伝いの道からは遠くの山々を眺めることができる。
そのまま広島県に突入し、K9→K106と山の中を走り続けた。
ドライブは文句なく楽しいのだが、R182からK259を走る頃には14時前となり、昼飯抜き故に腹が減って仕方がない。
Google検索で見つけた山の中のうどん屋「お食事処 山小屋」へと赴くが、店のおばちゃんはいるものの臨時休業（涙）。
空きっ腹を抱えてK417→K402→K24と南下、再び降り出した雨に幌を閉め、K56からK404を経てR184で宿のある御調［みつぎ］の街に出た。
街中の小さなお好み焼き屋「かわもと」に、赤い暖簾がかかっている。
中途半端な時刻ではあったが、漂うソースの香りに空腹のオッサンが勝てるはずもなく、迷わず入店した。
客は私一人、店のおばちゃんに豚玉そばの広島風お好み焼きを焼いてもらい、鉄板の熱で汗びっしょりになりながら、アツアツをハフハフと貪り喰う。
後から来た地元客と思しき女性から「駐車場のクルマ、ポルシェですよね？いや～、あんなんこの辺で見たことないわぁ」と声をかけてもらったことをキッカケに、三人で楽しく話をしながら、おいしくいただくことができたのであった。
近くのエネオスで給油を済ませ、「尾道ふれあいの里」にチェック・イン。
ツイン・ルームに荷物を放り出し、日帰りのお客さんに混じって大浴場で汗を流し、露天風呂でのんびりと寛ぎながら袋の皺を大いに伸ばした。
夕食なしのプランなので、館内の居酒屋で独り生ビールを呑み、カツカレーを喰う。
お好み焼きがまだ腹に残っていたため、これだけですっかり腹一杯になった。
今日は思ったほど降られなかったが、今夜から明日にかけてはまとまった雨が降るのだという。
ま、晴れる日もありゃ降る日もあるのがツーリング。
引き続き、安全に楽しく走ろうと思う。
本日の走行距離は、408km。
走行時間は7時間26分、平均速度は56km/h。
平均燃費は、10.3km/lであった。
2021-03-31 21:48
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コメント(10)
wataさんこんばんは。
お疲れ様です。
前回の房総半島dayドライブは動画のみでしたか、やはり通常の写真と文言での記事はいいですね。今後動画のみなのか・・・と勝手に心配していました。
引き続き、春先テンションの上がるGT記楽しみにしております。
私は桜前線の北上を追って、方角と標高を上げて行きたいと思います。
by junki (2021-03-31 23:23)
junkiさん、こんにちは。
私は、自身のBlogの本分はテキストにあると考えております。
写真や動画はあくまで拙い文面を補完するものであると思っていますので、今後もテキスト中心の記事を書いていく所存です。
が、たまには違うこともやってみたいので、その際はどうぞご容赦下さい（笑）。
junkiさんも、いい桜と出会えますように！
by wata (2021-04-01 20:30)
相変わらずの楽しそうなルーティング、旅心が刺激されまくりです。
岡山といえば広域農道は、もちろん一般的に言われていると信じていました（笑。あれだけのクオリティの農道群はそうそうありませんからね。
尾道の宿、私が去年のGTで宿泊したところみたいですね。まだそれほど経っていませんが、妙に懐かしく感じました。
by ていしあ (2021-04-01 20:50)
ていしあさん、こんにちは。
「岡山と言えば」で検索してみても広域農道は出てこないので、一般的ではないのかなと不安になっていましたが、そうですよね、一般的ですよね！（←違う）
尾道の宿と言っても観光名所である坂の町からは遠く離れていますけど、ツーリング的にはなかなかいい位置にあると思いました。
ていしあさん泊については存じ上げていませんでしたけど、やっぱり、同じような道を歩んで・・・いや、走っているんですね（笑）。
by wata (2021-04-01 21:18)
はじめまして。昨年秋ころから時折、楽しく読ませていただいております。大阪の987（MT）乗りです。
今朝方、思い立って神崎南～有漢までのルートをトレースさせていただきました。天候にも恵まれ、心地よい走りを堪能することができました。有難うございました。これからも記事、楽しみにしております。
by DaisukeP (2021-04-03 21:39)
DaisukePさん、はじめまして。
コメントをいただき、どうもありがとうございます！
差し支えなければ、引き続きおつきあいいただけると幸いです。
関東在住の私は大好きなこのルートを走ることがなかなかできないのですが（涙）、大阪からであればちょうどいいドライブコースですよね。
広狭混在、アップ＆ダウン、低/中/高速コーナー＆ストレートと、MTを駆使し987のパフォーマンスを存分に満喫できたことと拝察致します。
私もいずれまた、必ず走りに行きますよ！
by wata (2021-04-03 22:04)
岡山から津山へ南北に走る「美作やまなみ街道」もオススメです。
by しんのすけ (2021-04-04 06:18)
しんのすけさん、こんにちは。
大変失礼いたしました。
何回か走っているので今回はパスしましたが、仰る通り、美作やまなみ街道もサイコーなんですよね！
奥吉備街道、かぐら街道と併せ、次回はコンプリートさせていただきます！（約束）
by wata (2021-04-04 12:25)
やまなみ街道を走破済みとは大変失礼しました。
ご存知かもしれませんが美星星の里街道もオススメです。
by しんのすけ (2021-04-04 15:23)
しんのすけさん
いえ、星の里街道は存じ上げませんでした。
今回走ったエリアよりも、南にあるんですね。
確かに良さそうな道ですので、いつか走ってみたいと思います。
情報、ありがとうございました！
by wata (2021-04-04 18:23)