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西伊豆ドライブ [drive/touring]

南岸低気圧の影響で関東南部にも雪が降った、その翌日。
朝6時の東名高速道路は晴天、COVID-19の影響なのか交通量も少なく、ボクスターは快調に走っていきます。

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新東名高速道路/長泉沼津ICでトップを下ろし、伊豆縦貫自動車道→伊豆中央道と走って長岡ICからK130で駿河湾に出ました。
セブン-イレブンでホットドッグ&コーヒーの朝食を摂ってから、K17で複雑な海岸線をトレースしていきます。
路面はほぼドライ、雪の名残りか風は冷たく暖房と手袋は欠かせませんが、とてもいい気分です。
やがて家並みが途切れクルマもいなくなると、スポーツプラス・スイッチを入れてギアを2速に下げました。
タイプ981のラインナップで最も非力な2.7Lのエンジンを積むボクスターですが、私にとっては本当にこれで十分。
タイトなコーナーの出口が見える寸前からアクセルを踏み込めば、MA122型水平対向6気筒エンジンは次の減速ポイントまでの間にレッド・ラインへと一気に叩き上がり、エキサイティングな加速と共に素晴らしいライブ・サウンドを聴かせてくれます。
実速はともかく、「使い切っている感」が楽しいんですね。
ま、実際は使い切れるほどのドライビング・スキルを持ち合わせてはいないのですが(笑)、そう感じさせてくれるのが、ボクスターの魅力のひとつなのだと思います。
そんなことを考えつつ戸田[へだ]の街まで走り切り、御浜岬でひとやすみ。
駿河湾の向こう、腰に雲を纏うその姿を見せてくれていた富士山は、しばらくすると白いカーテンの向こうに消えていきました。

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テクニカルなK17は、土肥[とい]まで続いています。
この区間もクルマはほとんど走っておらず、アップダウンのワインディングをマイペースで走り切ることができました。
上りタイト・ターンのピークで意図的にアクセルを入れると、後輪に履かせた265サイズのファルケン・アゼニスFK510はその幅1本分ほど外側にスライドします。
PSM[ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム]が間髪を入れずにトルクをコントロールしてくれますが、それ以前にFK510は滑り出しがわかりやすく穏やかなので、不安感はありません。
もちろん、そんな余計なことをしなければFK510はグリップを損ねることもなく、よりダイレクトなハンドリングを求めてPASM[ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム]をスポーツ・シャシーにセットしても、荒れた路面で跳ねてトラクションを喪うようなこともないのです。
私のドライビングの限りにおいて、ボクスターはまったくのニュートラル・ステアであり、かつ発生したパワー&トルクはほぼすべてトラクションに転化できていると感じています。
永らく履いていた純正指定のピレリ・P Zeroと同様、FK510でもその印象に変わりはありません。
Nマークつきのポルシェ様認証タイヤではなく、最終的なグリップ性能もP Zeroには劣るかもしれませんが、それでもドライビングの楽しさがスポイルされないのは、FK510の基本性能が高いことに加え、ボクスターの持つハンドリング性能やトラクション性能が極めて優れているからなのだと思っています。

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中伊豆方面からのクルマが流入するため、いつもはリエゾンと割り切っているR136も、今日は妙に空いています。
すんなりと到着した松崎でいったん海沿いから離れ、K121で蛇石峠を目指すことにしました。
最後の集落を過ぎると道は急坂・屈曲・狭隘の三冠状態となり、切通しの峠を越えるとその程度は更に激しくなります。
1年ぶりの蛇石峠は、道を覆う木々が大きく伐採されて明るくなっていましたが、伊豆半島屈指のタフでトリッキーなワインディングであることに変わりはなく、五十肩が痛みを訴えるほどステアリングを大きく切り続けました。
峠の向こう側、南伊豆エリアでは気温が一気に上がり、春の陽射しが降り注いでいます。
気持ちいい南風を受けながらカントリー・ロードを走り続け、K16で青い海の輝く伊豆半島最南部をぐるっと周りました。
前日、都内ではソメイヨシノの開花宣言が発表されましたが、温暖な伊豆にあっても、咲いている桜はまだほとんどありません。
名物の河津桜が散り果てた下賀茂温泉には、次の白い桜が少しずつ咲き始めていました。

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引き続きクルマの少ないR136を楽しみながら松崎まで戻り、昼飯です。
大人気でいつも混んでいる地魚料理の「さくら」も今日は空いてるだろと思い開店15分後に訪れましたが、既に満席状態。
しかし1名ということもあり、待合室のような小部屋に通されて、「あじまご茶定食」にありつくことができました。
ニンニク醤油で喰うザク切りのアジのタタキが旨いのはもちろんですが、一人にひとつずつ供される釜炊きのごはんも嬉しいんですねぇ。
タマネギの天ぷらなどもあってボリュームも満点、最後はタタキを載せたごはんにアツアツのダシをかけ回してもらい、大満足のうちに完食となりました。
ちなみに5年ぶりにこの店を訪れたのは、前日にBlogへ「『さくら』に行ってきました」とのコメントを頂戴していたのがキッカケです。
そのコメントへの返信を書いているうちに私も行きたくなってしまい、本日の西伊豆ドライブに至った次第です(笑)。
ただ、一人ずつのごはんを炊く手間に加え、開店直後の混雑もあって、入店から退店までに要した時間は1時間半。
ここで時間を食ってしまったことが、帰路に大きく影響することになります(汗)。

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膨れた腹をさすりながらボクスターに乗り込み、K15で下田方面へ。
婆娑羅[ばさら]峠を快調に越え、山を下りた辺りで右に入り1車線の山道を進んでいくと、温泉「昭吉の湯」への入口に到着します。
見上げるようなすんごい斜度の荒々しいコンクリート舗装路が山の上へと続いていますが、こんな道はボクスターでは絶対に上がれないと判断(汗)。
そこで近くの看板に記されていた番号へ電話をかけると、風呂の管理人と思しき男性がトヨタ・ファンカーゴで上から迎えに来てくれました。
いわゆる「パーク&ライド」ってスタイルですが(笑)、道の途中には鬼のような急上昇ヘアピンなどもあり、ボクスターを置いてきてマジで良かったと胸を撫で下ろします。
700円を支払って入った適温の露天風呂は、無色透明ながらヌルヌルの浴感。
大谷石のような重厚な石で組まれた浴槽や、立派な梁と柱で建てられた屋根など、とてもこんな山奥にある温泉とは思えません。
連なる山と青空に浮かぶ白い雲を眺めつつ大いに寛ぎ、風呂から上がったら風に吹かれて暫しのクール・ダウン。
膝を傷めないように気をつけながら、激坂を歩いてボクスターの待つ下界へと戻りました。
いやはや、凄い温泉があるもんですねぇ。

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そろそろ戻る方向で走るのですが、静岡県の道路通行規制情報をチェックしてみると、西伊豆スカイライン周辺は昨日からのチェーン規制が継続中。
午後には解除になるだろうとの目論見は打ち砕かれ(涙)、仕方なくR136を戻ることになります。
ところが沼津ICから東名でサッサと帰ろうと思いきや、JARTICの道路交通情報によると大井松田IC付近で衝突事故が発生、渋滞が御殿場ICを過ぎて延びているではあーりませんか。
そこで箱根越えルートに変更、R1を箱根峠まで駆け上がったものの、その先の箱根新道が入口から渋滞→引き返して箱根ターンパイクへ→小田原料金所が渋滞→我慢して小田原厚木道路へ→厚木西ICから東名本線の大和トンネルまで渋滞・・・。
COVID-19の影響でクルマは少ないだろうとタカを括り、昼飯に1時間半もかかったのに温泉でノンビリしていた結果、こうなりました(涙)。
でも、楽しかったからいいんですけどね!


本日の走行距離は、511km。
走行時間は9時間39分、平均速度は55km/h。
平均燃費は、10.2km/lでした。

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ガソリンはハイオク

wataさんこんにちは
やはり西伊豆スカイラインは前日の積雪に伴い銀世界になってましたね。自分も同日に茨城広域農道に行ってまいりましたがグリーンふるさとラインから北は銀世界になっており、大洗ドライブに急遽変更になりました。大洗もコロナの流行終結したのくらい盛況してましたね
by ガソリンはハイオク (2020-03-18 20:54) 

ラビー

回避しきれなかった帰り道の渋滞、お疲れさまでした(笑
マイケル・ジャクソン?っと思ってしまった写真は、
地面が斜めなんですね~
すごい道の先のすごい場所にある温泉、気になります。
COVID-19の影響で全体的にすいてますけど、
混んでることは混んでるんですね(渋滞)
同じ頃私は、食い倒れの旅に出ておりました(ダイエットは明日から・笑
by ラビー (2020-03-19 09:24) 

wata

ガソリンはハイオクさん、こんにちは。

この日、西伊豆スカイラインは走っていないので、銀世界になっていたかどうかはわかりません。
いずれにせよチェーン規制は解除されませんでしたので、ドライブは断念した次第です(涙)。
北関東も降ったと聞いていましたが、グリーンふるさとラインなどの広域農道群は除雪も入らなさそうですからね・・・。
私も以前、真冬に茨城広域農道ドライブを楽しんでいる際、いきなり凍結路が出てきて袋が縮んだ覚えがあります(汗)。

by wata (2020-03-19 15:55) 

wata

ラビーさん、こんにちは。

はい、10km以上の渋滞なんてホントに久しぶりでしたから、さすがに参りましたよ(涙)。
温泉へのアプローチ、ボクスターでは無理だと思って最初から送迎を頼みましたが、ラビーさんちのクルマなら上がれると思いますので、是非行ってみてください。
道路は、混んでるところは混んでますねぇ。
COVID-19の影響で電車はガラガラらしいので、逆にクルマで出かける人が増えているのかな、とも思います。
食い倒れ珍道中の素晴らしいツーリング記、もちろん拝見していますよ。
「ダイエットは明日から」←えぇ、お約束ですよね(笑)。

by wata (2020-03-19 15:57) 

山本幹夫

wataさん こんにちは   アジまご茶定食、食べたいナ~。相当うまいんでしょうね。文面からひしひしと伝わってきます。(写真からも。)  伊豆半島に、走りを楽しみに行ったついでに立ち寄られたとお見受け致しますが、今度 私は、アジまご茶定食を食べるだけの為に、「さくら」さんに直行直帰したいと思います。←ホントか。   FK510のインプレッション、ありがとうございます。 前回のコメントの返信にあった、優れた耐摩耗性能を台無しにし、溝を減らさない様に走っているという前言を、撤回して頂かざるを得ない暴走、いや爆走・・ ステキです。(笑)    wataさんと私の、ドライビングスタイルは正反対なので、なにしろ64000kmでタイヤ、トータル8本ですから。(wataさんの1/4?)  私には、Pゼロはおろか、FK510でもオーバースペックかな、と思ってしまいます。 19インチ+PASM無しなので、どうしてもコンフォート性を求めてしまいがちなんですね。  以前のPゼロと比較してFK510のコンフォート性はどうですか。?  今、フロントに履かせているPゼロ ネロGTは、イーグルF1に比べて 突き上げ感は、若干減った感じはするのですが。・・・  Boxsterに乗りながら、コンフォート系タイヤを望むのは、Boxsterから「この へなちょこ野郎が。」と思われているかもしれません。(涙)

by 山本幹夫 (2020-03-19 16:21) 

ラビー

再び失礼いたします(笑
ダイエットは明日から・・・舌の根も乾かぬうちに、
房総半島ドライブに出かけ、
七里川温泉に寄ってきました。
っと言うご報告がしたかったのでした(笑
温泉を楽しんでいる間に火の準備をしてもらい、
湯上りに燻されるという(爆
お湯も食事も、大満足でした。
さすが連休、混んでました~。
by ラビー (2020-03-20 22:36) 

Dion

伊豆に行かれたのですね。
私は房総半島に行ってきました。
暖かい南伊豆でも桜はまだだったのですね。
来週あたりがピークになりそうですね。
荒れた路面ではやはり弾むのでPSMやPASMがあるとどんな感じでコントロールされるのか気になりました。(笑)
ステアリングを握るローアングルが新鮮で素敵です。
by Dion (2020-03-20 23:19) 

kouheibasi

こんにちは。
2.7Lの「使い切った感」の意味がわかるような気がします。
987Sに乗ってましたが、3.4L版は速くていいんだけど確かにワインディングでは私の手に余ってました。
増車は許されないので手放してしまったボクスターが恋しいです(笑)
村上春樹も素ボクを3台乗り継いでるんだそうですね。
by kouheibasi (2020-03-22 15:09) 

wata

山本幹夫さん、こんにちは。

私も今回は、5年ぶりにあじまご茶定食を喰うと決めて行きました。
最後には渋滞の憂き目に遭いましたが、旨いものと温泉と走りといずれも堪能できるのが、西伊豆のいいところだと思います。
タイヤの良し悪しは使い切るまでわかりませんけど、今のところ、FK510はP Zeroよりも乗り心地がいいと感じています。
ただ、PASMはタイヤのダンピングも加味して制御しているような気もしますので、標準サスペンションのほうが、タイヤによる乗り味の違いがハッキリ出るかもしれませんね。
山本さんもいろいろと試していただき、また教えてください!

by wata (2020-03-22 18:46) 

wata

ラビーさん

房総の魔境、七里川温泉へついに行かれましたか・・・。
温泉に入ってサッパリしたのに全身くまなく燻されるという、その仕打ちがたまりませんよねぇ(←Mか?)。
私はあのカオスな雰囲気が大好きで、いずれまた泊まりで行こうと思っております。
それにしても、けむいですよねぇ(笑)。

by wata (2020-03-22 18:46) 

wata

Dionさん、こんにちは。

房総も伊豆も、都心部より一段暖かくていいですよね。
今日あたりはあちこちで桜が見頃だったのではないでしょうか。
ただ、東名もアクアラインも大渋滞のようなので、ハマッてしまった方にはお悔やみを申し上げるほかありません(涙)。
ちなみにPSMはオプションではなく、981型を含む最近のポルシェ全車に標準で装備されています。
絶対に曲がり切れない速度でカーブに突入すれば「どんな感じでコントロールされるのか」がわかると思いますが、危ないので止めましょう(汗)。

by wata (2020-03-22 18:47) 

wata

kouheibasiさん、こんにちは。

いやいや、偉そうに書いていますが、私はシリーズ中最も低出力のボクスターでさえ、未だに使い切るところまで走れていないと思っています。
ただ、更なるハイパワー・モデルと比べれば、自身の「使い切ってる感じ」が相対的に高いことは間違いありませんので、それが満足感につながっているのかもしれませんね。
ま、いずれにせよ屋根を開けてノンビリ走ってますので、いいんです(笑)。

by wata (2020-03-22 18:48) 

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