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北海道グランド・ツーリング:5 [drive/touring]

■Day9

北海道最終日、蟠渓温泉の朝は快晴。

結局、雨に降られたのは温帯低気圧がやってきた日の午後だけであり、それ以外の日はすべて晴天下のツーリングとなったわけだ。
実に素晴らしいことである。
朝風呂で歯を磨き髭を剃り、朝飯をタップリと喰ったら出発だ。
今日はフェリー出航1時間前の16時までに小樽港に着けば良く、さてどこを走ろうかと「ツーリングマップル」と相談する。

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R453で洞爺湖に出、D132で反時計回りに湖畔を快走。
洞爺村のホクレンでハイオクを満タンにしてから湖を離れ、D230に入ったところでパリッと乾いた幌屋根を開けた。
青空に聳える後方羊蹄山を眺めながら丘陵地帯を快走し、D97で真狩村に入る。
無論、細川たかし像へと参詣したのは言うまでもない(←言うまでもないのか?)。

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ここからはD66をトレース。
ニセコエリアに入ったボクスターはギアを一段下げ、アクセルを開けて大きなワインディングを駆け上がっていく。
土曜日ながら交通量は僅少、前車に追い付いても広い道幅が追い越しをより安全なものにしてくれる。
道は下りに転じ、短いストレートを挟んでコーナーが次々と眼前に現れては後方に消えて行く。
嗚呼、本当に楽しい。

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岩内の街からは、R229で積丹半島周遊だ。
左手に見える日本海は、雲が増えてきた空の色を正直に映しており、実に穏やかだ。
神恵内で海を離れD998に入り、半島中央部の山を上っていく。
一度走ってみたいと思っていたこのトーマル峠越えの道は、単なる山坂道では無かった。
コーナーの殆どがスノー・シェッドに覆われており、非常に緊張を強いられる。
加えて、路面に刻まれたサイプがサイレンのような唸りを上げ、ドライバーに強くプレッシャーをかけてくるのだ。
峠を越え山を下ったところでUターンを切り、再び巨大な龍の如くのたうつ覆道群に挑むが、往路と同様、ヘトヘトになった。
いやはや、こんなワインディングは他に見たことがない。
トーマル峠恐るべし、である。

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神恵内に戻り、R229で平和な海沿いのドライブを再開する。
この先は2,000m級のトンネルが連続するが、その間から見える日本海は空が晴れてきたこともあり、実に美しく輝いている。
海岸線をそのままをぐるっと走り続け、半島入り口の余市に到達した。
今日も予想以上のハイペースで、時刻はまだ正午にも満たない。
そこで余市の街にあったコイン洗車場に立ち寄り、汚れ放題のボクスターを洗うことにする。
が、作業配分を誤り、ボクスターが洗剤まみれの状態で400円の洗車時間が終了・・・。
肚が立ったので追加の400円を投じ、真っ黒だったホイールや幌までも洗ってピカピカにしてやったわ(涙)。

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今回のGTで初めて見るクルマの大群と共にR5を走り、小樽に到着。
乗艦時刻まではまだ間があるので、昼飯でも喰おうとボクスターを市内のパーキングに放り込み、観光客で大賑わいの小樽運河方面へと歩いた。
小樽ジンギスカン倶楽部 北とうがらし」に入り、北海道の味・生ラムジンギスカンを焼く。
これが予想以上に旨くて、思わずもう一皿追加してしまったほどだ。
値段は観光地価格ではあったが、味も観光地の低レベルだと思ったら大間違いである。
大満足&大満腹で店を出たものの、これでフェリーが往路のように揺れたらシャレになんないな・・・と考えて、すかさずトラベルミンを服んだ(汗)。

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港湾エリアのエネオスでガソリンを満タンにし、新日本海フェリーの客船ターミナルに向かう。
駐車場には溢れんばかりのクルマやバイクがいて驚いたが、ヘトヘトになっている誘導員のオジサンに労いの言葉を掛けつつ訊いてみると、苫小牧発新潟経由の敦賀行き便が機関の不具合で欠航となり、その振り替えで満船状態なのだそうだ。

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16時過ぎに乗艦、往路と同様の個室に荷物を置いてリア・デッキに出る。
17時05分、カモメたちに追われつつ、定刻より5分遅れて「あざれあ」は小樽港を離れる。
陽はほどなく山の端に沈み、ボクスターを思うさま走らせた北の大地は、残照と共にゆっくりと彼方へ消えていった。



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■あとがき

復路のフェリーは一度も揺れることなく滑るように航行し、定刻の9時15分に新潟港へ接岸。
北陸道から関越道へと渋滞も無く都心方面に走り続け、午後の早い時間に自宅へ到着しました。
しかしながら気温は30℃もあり、あまりの暑さと湿気でブッ倒れそうになりました。
嗚呼、北海道へ帰りたい・・・(←違う、違うぞ)。

2年ぶりの北海道グランド・ツーリングは、フェリーによる航送区間を除き、10日間で3,800kmを走りました。
走行時間は57時間30分、平均速度は68km/h、平均燃費は13.0km/lでした。
秋の全国交通安全運動期間中ということで、いつも以上に「危険予知運転」を徹底し、事故らず/壊さず/捕まらず、おかげさまで無事に帰ってくることができました。

いや~、今回もおもしろかった!
一日を除き毎日が晴天に恵まれ、気温20℃レベルの爽やかな風を切ってボクスターを走らせまくりました。
本州や四国、九州にも楽しい道はたくさんありますが、北海道だけは明らかに違うんですよね。
広大な景色と冷涼な気候の下、交通量僅少の道を毎日マイペースで数十kmも走り続けることができるのは、やはり北海道ならではだなぁとつくづく思いました。
最低でも300km、日によっては500km以上も下道だけで走ることができ、その平均速度や燃費も、内地の一般道走行ではあり得ないデータを叩き出しているんです(汗)。

北海道は9月後半になると旅人がグッと減るとのことで、宿も空いておりのんびりできました。
それでも旅人宿やゲストハウス系に多く泊まったこともあり、今回も同宿の方々と楽しくお話しをさせてもらっています。
このような宿が多いのも北海道の特徴であり、また魅力でもあると思います。
独りきりでストイックに旅を続けるのもいいのですが、やはり、人恋しくなるんでしょうかねぇ(笑)。

道内では必ずしも路面の良くない一般道をハイ・アベレージで走ることも多いため、タイヤやサスペンションなどの足回り性能が如実に試されることになります。
しかしながらボクスターは、履いたばかりのファルケン・アゼニスFK510との組み合わせでも、申し分のないパフォーマンスを発揮してくれました。
ハイ・スピード&ロング・ラン、中高速ワインディングから、バンプ&アンジュレーション路面、ヘヴィ・ウェットなどのタフなコンディションに至るまで、まったく問題なく、気持ち良く楽しく走ることができています。
なお、北海道には無かった2速固定で走るような屈曲路については、別途改めてチャレンジさせていただく所存です(笑)。


このGTの途中で、ボクスターは累計走行距離が140,000kmを超えました。
相変わらず、最高の旅グルマだと思います。
また私も、術後はじめての長旅も山歩きのマネごともまったく問題なく、復調に自信がつきました。
これからも遠慮なく、ボクスターで旅に出ようと思っています。
引き続き、よろしくお願いします!

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小沢 和男

こんにちは。
これだけのGTを成し遂げられたということは、完全復活ということなんでしょうね。よかったですね。おめでとうございます。
これからもクルマとドライブに愛情溢れるブログをよろしくお願いします。
毎日、楽しみに更新を待っています。(^ ^*
(過去にアルピナ3台を乗継ぎ、ケイマン経験もある呑気オジサンでした)
by 小沢 和男 (2019-10-14 15:46) 

忠

楽しく拝読しました。そして、とうとう終わってしまったのか・・・・という達成感と虚脱感が残りました、自分が走ったわけではないのに!笑)

僕も近いうちにwataさんのルーティングを参考に・・・・いえ、お手本にして北海道に行ってみようと思います。但し、牛乳が苦手なので牛乳鍋は避けたいところです。宿のHPは面白かったのですが!笑)

やはり帰りのフェリーでは、拓郎ではなくギンギンギラギラ・・・・と歌ったのでしょうね?笑)

by 忠 (2019-10-14 16:09) 

ていしあ

楽しいGT記ありがとうございました&完全復活おめでとうございます。

ルート地図を見ていると、あまりにも自分だったらこう走るというのに似ているので、一人でニヤニヤしていました。でも、そう言えば北太平洋シーサイドラインは走らなかったのですね。

おっしゃるとおり、北海道だけはどこも真似できない道で溢れていますよね。私の気持ちはもう、次回に飛んでいます(笑。
by ていしあ (2019-10-14 19:22) 

wata

小沢和男さん、はじめまして。

アクセス&コメントをいただき、どうもありがとうございます!
私はALPINA1台とボクスターだけの若輩者ですが(汗)、どうぞよろしくお願いします。
ご推察の通り、今回のGTは術後の自分を試す意味もありましたので、従前よりも達成感が強かったように思います。
まぁ苦しいことも辛いこともなく、好きで走っているだけなんですけどね(笑)。
それでもやはり、これからもクルマ・ライフを続けていけるという自信にはなりましたよ!

by wata (2019-10-14 20:41) 

wata

忠さん、こんにちは。

毎度ご覧いただき、ありがとうございます!
いやほんと、あっという間の10日間で、翌日から会社に行く意味が良くわかりませんでしたよ(汗)。
忠さんも是非、北海道へ走りに行ってください。
牛乳鍋は、予約の際に申し出れば別のメニューにしてくれますよ。
帰りのフェリーで、拓郎でも陽水でもたかしでも、お好きな歌を全力で歌ってくださいね!(笑)

by wata (2019-10-14 20:48) 

wata

ていしあさん、こんにちは。

こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました。
はい、私もていしあさんとは「同じ穴のGT狢」だと思っておりますが、それは同時に、善良なる常人の観光ドライバーの皆さんとはルーティングが大いに異なることを意味します(笑)。
仰るとおり、今回は天候の影響で北太平洋シーサイドラインを走れなかったのが唯一の心のこりです。
ただそれは、「次回は走る」という決意を強くさせただけのこと。
ていしあさんと同様、遠からずまた北海道の地を踏むことになるのは明らかです(笑)。

by wata (2019-10-14 21:01) 

Sho-z

GT記、最後まで楽しませていただきました!
内容からwataさんが走り・食事・体力面で正真正銘の完全復活を遂げられたことも分かって安心しています。
台風の影響も僅かだったようで、連日の晴天は羨ましく思いましたよ。
意外なGT要素は大雪山旭岳のトレッキングですね。通勤電車の乗り換えで5分歩いただけでくたびれる私には真似できません・・・。(←大丈夫か?)

そういえばD998トーマル峠の“サイレンのような唸り”、他の道でもありましたがクルマが壊れたのかと思って最初はビックリしました(汗)
道道は「こっちを走れば良かった」と思うところがいくつもあり、いずれ再訪する際にはルートを参考にさせていただきます。
充分満足したはずが、早くもまた行きたい気持ちに変わっています。・・・困ったものです(汗2)
by Sho-z (2019-10-15 00:27) 

wata

Sho-zさん、こんにちは。

おつきあいいただき、どうもありがとうございました!
もちろん私もSho-zさんの北海道GT記を楽しみに拝読しつつ、「そうかぁ、こんな道を走ったのかぁ、オレは走ったことないなぁ、よ~し、次回はここを走るぞぉ」・・・と、次の北海道GTへのモチベーションにさせてもらっています。
ただ私はSho-zさんのように若くはないので、「旭岳トレッキング」や「小樽でジンギスカン」のような、オッサン観光客の要素がこれからも増えていくと思われます。
次回はさらに観光化が進み、「大通公園ビアガーデン」「ススキノで大暴れ」「富良野ラベンダー畑でインスタ映え」などのコンテンツが続々と投下されることになるでしょう。
ご期待ください(←?)。

by wata (2019-10-15 20:24) 

J

ありがとうございました。
すっかり北海道を堪能させていただきました。
ところどころ当時の生活を思い出しながら楽しませて頂きました。
小樽で思い出しました、なんども行かれているので小樽の若鳥の半身揚げはもう食されていたでしょうか?あれも美味ですよね~
また次のブログ楽しみにお待ちしています(^^)/






by J (2019-10-16 21:02) 

wata

Jさん、こんにちは。

今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
あまりに楽しい10日間だったので、私の拙いBlogでは、その楽しさの1割も伝えられないのではないかと心配になるほどです(笑)。
小樽の半身揚げは、前回2年前のGTで喰いました!
皮がパリッとして、とても旨かったです。
嗚呼、ジンギスカンの食後に半身揚げを喰えば良かった(←喰い過ぎだって)。

by wata (2019-10-17 21:01) 

やすどん

はじめまして。
いつも素晴らしい記事を見て、ボクスターやGTが本当にお好きなんだなというのが伝わってくるのと同時に私もそれらへの憧れが強くなっています笑
当方、スバルのBRZに乗っているのでクローズドボディではなかなか味わえないとは思いますが、同じ(と言っては色んな方面からお叱りを受けそうですが)水平対向エンジンの味をもう一度噛みしめながら運転して行こうと思って次第です。
拙く、何が言いたいんだ、、、みたいな文章になってしまいましたが、これからも記事を楽しみにしています。
by やすどん (2019-10-19 16:49) 

wata

やすどんさん、はじめまして。

コメントをいただき、どうもありがとうございます!
差し支えなければ、引き続きのおつきあいをよろしくお願いします。
「グランド・ツーリング」などと大袈裟に言ってますが、私はクルマで旅に出ることが何よりも一番楽しく感じます。
旅の目的=クルマを走らせること、ですから、スバル・BRZのようなスポーツカーでロング・ツーリングに出たら、ホントに楽しいと思いますよ。
トヨタ・86が全国を走る『峠 TOUGE』という大好きなTV番組がありましたが、正にあのイメージです!(笑)

by wata (2019-10-21 18:05) 

小沢 和男

反応遅く、スミマセン。
「はじめまして」とご連絡いただいてしまいましたが、私、メールさせていただくには2回目です。7/21以来です。
今回、紛らわしい文章ですみませんでした。
今後も更新を楽しみにさせていただきます!
by 小沢 和男 (2019-10-23 18:43) 

wata

小沢 和男さん

大変失礼致しました。
以後、このようなことが無いよう注意します。
今後ともよろしくお願い致します。

by wata (2019-10-23 23:01) 

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