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北海道グランド・ツーリング:2 [drive/touring]

■Day3

夜半に降り出した大雨も未明に上がり、サロベツの朝は素晴らしい晴天に恵まれた。
朝飯を喰ってチェック・アウト、今日はまずD444をオホーツク方面に向かう。

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豊富の町を抜けてD84に入ると、クルマもバイクもまったくいなくなった。
乾いた幌を下げ、民家も何もない森の中を凸凹路面に気をつけながら快走する。
牧場地帯を抜けるD710を経由してR238を横断すると、ウルトラ・フラット&ストレートの村道浜猿払エサヌカ線だ。
まっすぐだけでなく、まったいら。
360度の大空の下に、現実とは思えない光景が広がっている。
初めて来たときから何度目になるだろう、しかし最初の感動は今回も変わらなかった。

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浜頓別からR275で内陸に入り、D120で南下を開始する。
ひたすら山の中を走る、怒濤の道道ドライビングの始まりだ。
交通量皆無、ところどころアスファルトが大きくうねっている箇所があったり、道警による先導でVIP気分を堪能することもあるが(汗)、それ以外は完全なるマイペースが続く。
D120→D49→D60と、走りに走って120km。
120km、走り放題なのだ。
もうメチャクチャである。

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ちょうど昼時となった下川町の「みなみ家」で、名産・下川手延べうどんの定食を喰う。
さすがは手延べと言うべきか、素麺のように喉越しが良く、ツルツルッとおいしくいただくことができた。
店を出たらR239を東に走り、西興部からD137をトレースする。
北海道には珍しく3速で回るようなコーナーもあるが、FK510はアクセル・オンでも文句を言わずにしっかりとグリップしてくれるのが頼もしい。

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ハイ・アベレージを保ったまま遠軽の街に出、交通量の多いR333を棄ててD103でサロマ湖方面に向かい、R238で能取湖のサンゴ草群生地に立ち寄る。
盛りを過ぎたのか、サンゴ草は予想よりも地味な色合いではあったが、それでもたくさんの観光客がひっきりなしに訪れていた。
周辺をのんびり走って網走市内に入り、エネオスでハイオク満タン。
ついでに近くのコイン洗車場で汚れ放題のボクスターを洗ったが、明日は台風の影響で全道的に雨の予報となっていることを、洗い終わってから思い出した(汗)。

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陽も西に傾き始め、R244を走って濤沸湖近くの「小清水はなことりの宿ユースホステル」に到着。
YHに泊まるのは自転車で旅をしていた中学生以来だが、やはり昔と今とではコンセプトも変わっているようで、部屋はイイ感じのツインの個室である。
宿にも風呂はあるものの、すぐ近くに温泉があるというので、タオルをぶら下げて赴いた。
元は旅館か民宿だったと思われる「原生亭」は、300円の激シブ日帰り温泉施設。
黒く熱い湯に浸かり、シャンプーが無いので身体も頭も石鹸で洗ったが、こんなところに温泉があるとは宿で聞くまで知らなかった。

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晩飯は具だくさんのスープ・カレーで、そこらの専門店よりも旨い。
ダイニングに置かれたTVからは、台風情報がひっきりなしに流れている。
現在は日本海にあり、明日から明後日にかけて北海道にもやってくるらしい。
・・・いや、来なくていいから。



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■Day4

朝5時に目が覚めた。

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P1060354.jpg温帯低気圧が接近中の北海道は道南で強い雨が降りだしているようだが、ここ網走管内は今のところ薄曇りで風もない。
北海道のデカさを実感させられる一コマである。
朝飯はコンパクトな和食だが味付けがよく、たいへんに旨い。
二食つき5,000円のレベルとしては申し分なく、いずれまた泊まろうと思えるいい旅人宿であった。
宿主さんと宿犬&宿馬に見送られて、道内3日目がスタートした。

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予想に反して空は徐々に明るくなり、空気から雨の匂いも感じられない。
R244を斜里方面へと走るうちに幌の夜露も乾き、屋根を開けることができた。
R334を外れ、いわゆる「天まで続く道」に立ち寄ったが、単なる農道だったはずなのに終着には立派な駐車場ができていてビックリ仰天。
他にも待っている人がいるにも関わらず、ベスト・ポジションの撮影台にでっかい三脚を立てて譲らずに、セルフ・タイマー→ダッシュで自撮りを繰り返すオッサンが、たいへん哀れに思える。
ここもすっかり観光地になったのだな・・・と実感し、早々に退散した(涙)。

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知床半島に入ったR334は、いつになくクルマが少ない。
今日は三連休の最終日だが、台風接近の報を受けながら知床へと向かう酔狂な輩はそう多くはないのだろう。
それは私にとってはとてもありがたく、冷たい風を浴びてボクスターは快走を続けた。
知床横断道路を駆け上がっているうちに、先ほどまで見えていたはずの羅臼岳が雲に隠れる。
曇天の知床峠は寒風が吹きすさび、恐ろしいほどの寒さである。
念のために持ってきた冬用のジャンバーを羽織り、冷たい海に浮かぶ北方領土・国後島を眺めた。

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羅臼へと向かうタイトなワインディングを下り、素晴らしいロケーションの無料野天湯「熊の湯」に立ち寄る。
冷えた身体が一気に熱くなり真っ赤になったが、地元のおじいちゃんによれば、今日はこれでも温い方だという。
この風呂は皆さんが毎日早朝から掃除をしたり、修繕にお金を出し合うなどして、大切に護っているのだそうだ。
単なる旅行者に過ぎない私もありがたく入らせていただいたことに改めて感謝しつつ、風呂を後にした。
ジャンバーも長袖も脱ぎ捨て、Tシャツ1枚でボクスターを走らせる。
汗をかいた身体が一気に冷え、素晴らしい爽快感に包まれた。
やはり風呂上がりは、オープンカーに限るな!
わは、わはははははははははははははははははははは!

・・・が、5分ほどで寒くなり、そっと長袖シャツを着た(涙)。

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国後島を左手に見ながらR335を南下し、標津からD950で長大な砂州のような野付半島を先端まで走る。
道の左右が海だったり、立ち枯れの木々が残っていたり、実に独特かつ荒涼たる風景だ。
が、ここでついに雨が降り出し、無念のルーフ・クローズとなる。
今まで屋根を開けていられたことを喜ぶべきであろう、しかし昨日の夕刻に洗ったボクスターは、結局1日も経たないうちに雨に汚されることとなったのである(涙)。
幌を打つ雨の音を聴き、風化したミズナラの林を眺めながら走る。
立派な角を持つ一頭のエゾシカが、雨に打たれながら浅瀬を静かに歩んでいる姿が見えた。

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強まる雨の中、R244から荒れたD363で内陸に入り、D8で別海の街へ。
ラーメンののぼりに誘われて入った店はなぜか寿司屋だったが初志貫徹でラーメンを喰い(涙)、JA直売所の軒先で雨をしのぎながら淡白なソフトクリームを舐めているうちに、行こうと思っていた開陽台や北太平洋シーサイドラインのキャンセルを決定。
一昨日/昨日と、二日続けて晴天下で500km&70km/hの痛快なドライビングを楽しんだのだから、大雨の今日はもうまっすぐ宿へ向かい、襲い来る低気圧をやり過ごすことにしたのだ。
ひたすらまっすぐのパイロット国道/R243から、D951を経由してD13で標茶に出る。
ここからのR274は、周囲に何もない丘陵地帯を60km近く走る道だ。
晴れていれば最高のオープン・ロードであろう、しかし空は暗く雨はどんどん強くなり、路面に雨水が流れているような状況である。
結構キツかったが、FK510のレイン性能への信頼もあってそれなりのペースで走りきり、R240沿いの道の駅に併設された宿泊施設「赤いベレー」に到着した。

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低料金の公共宿なのでどんなもんかと思ったが、これがなかなか良い。
部屋は広々とした10畳の和室、風呂は茶褐色の温泉がドバドバと掛け流し。
日帰り客用とは別に宿泊者専用の風呂もあり、窓の外の大雨を見ながらのんびりと浸かった。
晩飯は、併設されたレストランで喰う。
パッと目についたミックスフライ定食はボリュームもあって旨かったのだが、どうせなら名物の鹿肉料理でも喰えば良かったかな(汗)。

九州などに被害をもたらした台風17号から変わった温帯低気圧は、それでもかなりの雨と風を伴って近づいてきている。
文字通り今夜が山だというが、何事もなくサッサと通過してもらいたいものだ。



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コメント 4

J

こんにちは~
引き続き拝読させていただいています。
体調が回復しつつとはいえ、再度の北海道GTとは感心するばかりです。
今回も多数の画像をありがとうございます。
そちらでの勤務時はヒコーキとレンタカーでの移動でして、このような景色を見ていたものの、自分のクルマでの走りは全く出来ませんでした。GTを読ませていただいて今更ながらしまったザンネンと思うばかりでありあります^^;
思い起すとススキノGTが中心だったような(笑)
このソフトクリームは別海ソフトですか、行く度に食していました。サラサラですよね。
これから道央でしょうか、楽しみにお待ちしています。
by J (2019-10-07 17:00) 

wata

Jさん、こんにちは。

いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は「復活のGT」として、ついつい北海道を選んじゃいました(笑)。
しかし別海のソフトクリームはあまりに淡白で、もっとこう、濃厚なミルク感が口いっぱいに拡がり・・・的なイメージだったため、最初の一口で思わず「ん?」と小首を傾げてしまいましたよ(涙)。
ちなみに私も、2年ほど札幌に勤務していたことがありました。
Jさんと同じく、連日のように「ススキノGT」へと出撃せざるを得なかったのも、今となってはいい思い出です(←?)。

by wata (2019-10-07 19:22) 

Sho-z

リハビリ後一発目のGT、距離を抑えておられるのかと思いきや・・・全開ですね!
なんだか安心しました(笑)

“北海道らしい道”として一番印象に残っているエサヌカ線は、実際に走ってみると何と表現したらよいか分からない不思議な感覚に陥ってしまいました。
仰る通り「現実とは思えない光景」でしたね。
同じ直線系の「天まで続く道」は確かに観光の皆さんで溢れていました(汗)
記念撮影の邪魔にならないように早々に立ち去ってしまったのですが、駐車場などは割と最近出来たのですねえ。。

延々続く完全マイペース走行や風呂上りのオープンカー(寒そう(涙))も最高!の一言だったと思います。
およそ2ヶ月前に走りに行ったばかりということもあって、wataさんが何処に行かれたのか続きも楽しみです。
by Sho-z (2019-10-08 00:28) 

wata

Sho-zさん、こんにちは。

7月の終わりにSho-zさんが北海道へと旅立ったことを知り、「いいなー、オレも行きてぇなー⇒よーし、行くぞぉ」・・・で、行ってきました(←ホントか?)。
エサヌカ線は、現地に立つとビックリしますよねぇ。
走っても走っても景色が変わらないので、本当に走っているのかどうか不安になりました(笑)。
直線路に限らず、緩いコーナーが続く丘陵地帯のような場所でも、「走るその先」が見通せる道は気持ちいいですよね。
「人生のその先」も見通せるといいのですが、こればっかりは上手くいかないようです(涙←なぜ泣く?)。

by wata (2019-10-08 20:42) 

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