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奥三河・南信州ツーリング[2] [maintenance]

前回のあらすじ>
奥三河の荒れた狭隘県道を、嬉々として走る4台。
しかしながら油断が災いを招くこととなり、最後尾のボクスターが右前タイヤのサイド・ウォールを切ってしまう。
人里離れた深い山の中、修理不可能との現実を前にし、52歳のオッサンはツーリングの終了を意味するレッカー救援要請を覚悟したのであった。
が・・・。

・・・レッカーを呼ぶ前に、ダメ元でやってみよう。

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標準で装備されているパンク修理剤をボクスターのフロント・トランクから取り出し、説明書に従って右前輪に注入。
エア・コンプレッサーを用いて空気をチャージ、祈るような気持ちで空気圧計の目盛りを確認します。
サイド・ウォールの裂傷はかなり大きく見えるものの、一気にバーストしなかったことから、実際の穴は見た目ほど大きくは無いだろうと推測。
もちろん、修理剤で治るとは思っていませんが、ある程度まで空気が入り、かつ少しでも流出を抑えられるのであれば、空気を足しながら街まで自走できるんじゃないかと考えたのです。
果たして空気圧は何とか2.1バール程度まで上昇してくれたため、荷物を片付けてK33を豊田方面に走り始めました。

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最初は、全然ダメでした。
走り出すとすぐにTPMS[タイヤ空気圧監視システム]が空気圧の低下を訴え始め、1.8、1.7、1.6・・・と見る見るうちに空気が抜けていってしまいます。
わずか2-3㎞で1.0バールを割ったため、再びボクスターを路肩に停めてエア・コンプレッサーを繋ぎました。
後から来てくれた3人もあまりの早さに失望しているだろうなと思いつつも、大変申し訳ないがこの方法で行けるところまで行かせてほしいと頼み込んでリスタート。
その後もTPMSのモニターを凝視しながら「1.0バールまで抜けたら足す」で走りましたが、多少なりとも液化ゴムが固まり穴が塞がってきたのか、そのインターバルは徐々に長くなっていきました。

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一方、空気を入れている最中には3人が近隣のタイヤ屋へ電話をかけてくれ、片っ端から在庫確認。
贅沢は言ってられないので「サイズは235/40R19だけど225でも245でも可。銘柄も問わない」との条件で捜してもらいましたが、いやはや、本当に無いんですねぇ・・・。
私が架電した最大手のカー用品店でも、「当店を含め、どこのショップでもそのサイズを在庫していることはまずあり得ない」旨を、大変申し訳なさそうに説明してくれました。
ところが、範囲を拡げて捜索してくれていたsuite-spiralさんが、豊田より更に西の長久手市内に225/40R19のピレリ・P Zero2本の在庫を発見!
距離はあるものの、空気の抜けるペースが緩くなってきたこともあり、その場で予約してもらって店へと向かうことにします。

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以降も3台の手厚い護衛にガードされながらチャージを繰り返しつつ走り続け、長久手市内の「タイヤ&ホイール館 フジ スペシャルブランド グリーンロード店」に到着。
ようやく店の看板を目にしたその時、1927年にスピリット・オブ・セントルイス号で大西洋単独横断飛行に成功したチャールズ・リンドバーグが「翼よ、あれがパリの灯だ」と呟いたその気持ちを、初めて理解することができました(←並べるなって)。
支払いを済ませてキーを預け、近くにある「餃子の王将 長久手店」で昼飯を貪り食ってから店に戻ると、作業は早くも完了したようで、前輪に新品のP Zeroを履いたボクスターが駐車場に鎮座しています。
スタッフの方にお訊きしたところ、ホイール等へのダメージも一切無かったとのことですから、これで100%安心して走らせることができるようになりました。

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穴の開いたタイヤに空気を計7回補充しながら50km超を走らせて、トラブル発生から3時間で本件は結了となりました。
山の中でのサイド・ウォール裂傷というトラブルのレベルから考えれば、これ以上望めないほどのいい結果だったと思います。
傷口が極端に大きくはなく、ボクスターがTPMSを装備しており、奇跡的にタイヤの在庫が存在し、何よりも仲間のサポートがありました。
これらのどれかひとつでも欠けていたら、私はツーリングからの離脱を余儀なくされていたでしょう。
仲間とTPMSと幸運とに心から感謝しつつ、ボクスターが戦列に復帰です!

つづく。

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ていしあ

ツーリング復帰おめでとうございます。

私は、単独走行中、茨城の山の中で同じ目に遭いました。JAFのレッカー車にタイヤと人間(私です)を載せて、町中のタイヤショップへ連れて行ってもらったことを思い出しました。

255/35/19だったらおそらく在庫はなかったと思いますが、それを想定して245/40/18のお手頃サイズにインチダウン(本国ノーマル仕様)させておいたのが、功を奏しました。
by ていしあ (2018-06-18 22:23) 

Sho Torii

wataさん、こんにちわ。

もっと複雑な結末を想像していたのですが、意外に簡単(?)に解決出来て良かったですね!いずれにしても、クルマ仲間の結束ほど強いものはそうそうありませんから、wataさんだけが離脱する結末はあり得ないと思っていました。

ところで、標準装備のgunk (unpleasantly sticky or messy substance) ですが、こちらのPorsche forumsでは、これを注入するとwheel内部にこびりついてしまって取るのが大変だから使ってはいけない、との意見が多く、様々な苦労談が紹介されています。私もvalve stem coreを外さなくても注入出来、使用後は水で洗い流せるタイプのものをplug kitとともにトランクに入れています。wataさんのタイアを交換したショップはこれに関して何も言っていなかったようですね。もしかしたらPorscheが修理剤の材質を変えたのでしょうか?
by Sho Torii (2018-06-18 22:25) 

オーチャム

丁度、前後ともタイヤ新品交換完了ですね!これを見越して...?
by オーチャム (2018-06-18 22:43) 

くまぷぅ

長らくご無沙汰しております。
この度のトラブル大変でしたね。
Wataさんのブログは欠かさず拝見しておりますが、とてもローカルな施設がブログ記事としてアップされてびっくりです。
職場が長久手市のため、毎日通勤しておりますし、餃子の王将 長久手店も時々利用させていただいております。
また、ミーティングでご一緒させていただけましたら幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
by くまぷぅ (2018-06-19 09:55) 

忠

よかったですね、幸運が重なって。神様のお陰でしょうか?(先日僕が神様にお祈りした時にはすでに解決済でしたね!笑)

それにしても「困ったな!」と「ブログのネタゲット!」の割合が、1:3くらいにしか感じないのがすごいと思いました。

僕は友達が少ないので何時も単独走行ですし、幸いパンクしたことがありませんので同じようなことが起こったら完全にアウトです。さらに未だガラケー使用者で、携帯をネットに繋ぐこともありません。
これからは神様と仲良くしておくしかありません。神社のさい銭箱には何時もの10円ではなく気前よく100円を入れることにします!笑)

by 忠 (2018-06-19 10:16) 

wata

ていしあさん、こんにちは。

サイド・カットやバーストなど、修復不可能なタイヤのトラブルは、なぜか山の中で発生するんですよねぇ(汗)。
レッカーなどで無事に下山できたとしても、次に待ち構えるのはタイヤの在庫がどこにも無いというハードルで、現地にクルマを預けて引き取りは後日・・・なんて可能性も高いんじゃないかと思います。
しかし、そのことを想定して予めインチ・ダウンしておくなんて、ていしあさんはどんだけハードな山道をどんだけハードに走られているのでしょうか(震)。

by wata (2018-06-19 21:51) 

wata

Sho Toriiさん、こんにちは。

ボクスターをヘリコプターで吊り下げ、奥三河からシュツットガルトまで運んでタイヤを交換している間に、パツキンのチャンネーと・・・みたいな話を捏造すれば良かったですかね(笑)。
昨年春のTOEIC受検で持てる英語力のすべてを使い果たした私には、「標準装備のgunk (unpleasantlyなんとか)」と言われても何の事やらサッパリわかりません。
が、当然ながら交換時にはショップの方に修理剤充填済の旨を告げ、最低限の礼儀としてお手数をおかけすることをお詫びしたところ、「全然大丈夫ですよ!」と快く対応していただきました。
もちろん、修理剤の材質変更についてもまったくわかりませんので、そちらのフォーラム?か供給元のVW社、或いは製造元のダンロップ・テック社にお尋ねください(伏)。

by wata (2018-06-19 21:54) 

wata

オーチャムさん、こんにちは。

前輪はスリップ・サインまであと1-2mm程度残っていたのに、図らずも新品のP Zeroとなってしまいました。
本当なら、ツルッツルのパイパン状態にまで仕上げてから後輪と同じプロクセス・スポーツを履かせるはずだったのですが、これで当分の間、前後別銘柄で走ることになっちゃいましたよ(笑)。

by wata (2018-06-19 21:54) 

wata

くまぷぅさん、こんにちは。

いやいや、今回は長久手市にたいへんお世話になりました!
豊田市や岡崎市にも無かったタイヤを長久手市のショップが在庫していたのですから、同市のクルマ文化の深さを思い知らされた次第です。
「餃子の王将」はどの店で喰っても旨いのですが、長久手店のレバニラ炒めは東京の店舗のそれよりもやはり味付けが濃く、ご飯が進みまくりました。
味噌カツとかきしめんとかあんかけスパゲティとか、愛知県には名物がたくさんありますけど、王将で十分満足できましたよ!(笑)

by wata (2018-06-19 21:56) 

wata

忠さん、こんにちは。

私は旅先の神社仏閣に、少ない賽銭で「事故らず・壊さず・捕まらず」と参るぐらいのことしかしておらず、その割に今回は最小限のダメージで済んで、本当にラッキーだったと思っています。
おかげさまでBlogのネタにさせてもらいましたけど、発生直後はさすがに笑えませんでしたよ(汗)。
サイド・カットやバーストの場合はタイヤ交換しかありませんが、私はとりあえずジャッキとレンチとパンク修理キットを積むことで、とりあえずツーリング時のパンクに対する自力での対処と継続走行を可能にはしています。
とは言え、やはりパンクしないに越したことはありませんので、私も賽銭額のアップを検討させていただく所存です(汗)。

by wata (2018-06-19 21:58) 

ryus

wataさんこんばんわ。
スリリングな展開に、どーなっちゃうの?と思いました。最後の数行にあらわされている 幸運 は転がり込んできません。それがやってくるのは必然 です。日頃の行い(笑)が自然に誘導するものでしょう。
自分も生き方もーちょっと考えないと、、、いやいや、
つづき が早くみたい!
by ryus (2018-06-20 21:20) 

wata

ryusさん、こんにちは。

はい、私も「どーなっちゃうの?」と思いましたが、おかげさまで本件については大団円を迎えることができました。
日頃の行いがいいから・・・と見栄を張って言いたいところですけど、最近はあまり行って[おこなって]いないのでよくわかりません(←何を?)。
トラブル・シューティングにページを割いてしまいましたが、次の記事で最後まで走りますので、よろしければおつき合いください!

by wata (2018-06-20 22:20) 

Sho-z

ドキュメンタリー番組的な胸が熱くなる展開(涙)ご無事で何よりでした。
走りながらタイヤ空気圧のモニタリングが可能なTPMS、最高ですね。
あるのと無いのとでは(走行中の)精神的に大違いだったと思います。
私のホンダ・S2000にはテンパータイヤが載っていますが、トランクに荷物が満載かつ同乗者が居るシチュエーションでは外したタイヤを積めないという欠点があります。
助手席のカノジョに『わたしとタイヤ、どっちが大事なの?』と訊かれたら、迷わず「タイヤ!」と答えてカノジョを置き去りに・・・(←だめだろ)
そんなシチュエーションは無いと思われますが(笑)
by Sho-z (2018-06-20 23:32) 

wata

Sho-zさん、こんにちは。

いやほんと、空気圧の減りぐあいを具体的にチェックしながら走れるというのは素晴らしいことだと、つくづく思いました。
TPMSが無かったら、絶対に自走は不可能でしたからねぇ。
しかし個人的には、テンパー・タイヤを積んでいるというS2000をとても羨ましく思います。
私のボクスターなんか、テンパー・タイヤもカノジョも乗せていないんですよ。
不公平、極まりないと思います(涙)。

by wata (2018-06-21 00:15) 

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