北海道グランド・ツーリング[3]最北と最安 [drive/touring]
朝5時に起床。
サロベツの広い空は、期待とは裏腹に一面の雲に覆われている。
昨日夕刻に宿の庭から見えていた利尻富士は、もはやまったく見えなくなっていた。
朝飯を喰ってチェック・アウト。
気温は20℃に達せず、長袖のシャツを着てボクスターの屋根を開けた。
D106/オロロンラインを北上。
天気はイマイチだが、最果てへと続いているこの道はやはり素晴らしいのひとことだ。
8月中旬とは思えない冷たい風を浴び、6速ギアで走り続けた。
稚内が近づくと空は明るくなり、太陽が時折顔を出す。
市内を抜けてR238を走り、D899で宗谷丘陵を経由して宗谷岬に立った。
海をバックに草原のなかを再び丘陵へと駆け上がり、そのままD899をトレース。
この道は以前も走っているが、山の中の気持ちいいワインディングなのに誰もいない・・・いや、鹿がいた(汗)。
D1077を経由してオホーツク海に出、R238で南下を開始する。
荒涼としたストレートをひたすら走り続け、町道エサヌカ線に入った。
地平線に消えるアスファルトはアホほどまっすぐかつまっ平らで、走っているうちに感覚がおかしくなってきそうだ。
こんな非日常的な道が存在するのも、北海道ならではであろう。
海沿いのR238は単調なので、浜頓別からR275で内陸に入る。
中頓別で左折し、怒濤の道道ドライビングが始まった。
地図を見ると、D120を皮切りに幹線道路を殆ど使わず南へひたすらトレースできるラインが見えてくる。
前回ALPINA B3でも走ったルートを、更に延伸しボクスターで行くのだ。
D120→D49→D60、合計120km。
いずれも完全な2車線路、アスファルトはところどころ大きくうねったりしているが、通るクルマも無い山間のロング・ハイスピード・ワインディング・ロードである。
ワインディングと言っても北海道のそれだから、ギア・ダウンはせいぜい4速までで事足りる。
目を瞠るような景色も何も無い、とにかくひたすらクルマと向き合って走り続ける道なのだ。
マイナーにも程があるルートだが、ドライビングの好きな貴兄には是非とも一度走っていただきたいと思う。
走りまくっているうちに腹が減り、前が見えなくなるほどの土砂降りを抜けて下川の町で昼飯処を探す。
「美花夢[びかむ]」はアットホームなショップ・カフェだが、町内産のブランド小麦「はるゆたか」を使ったパンや食事を出すとのことで立ち寄ってみた。
鳥の辛味噌焼きと混ぜて喰うというおもしろいアイディアのうどんは、モチモチしてとても旨かった。
雨のR239を東に走るが、海にはまだ出ずにD137で南東に向かう。
この道道もまた交通量絶無、遠軽までの55kmをボクスターと共にひた走った。
D244でサロマ湖まで出て、R238を走る。
夕刻近くとなり、このまま網走市郊外の宿を目指すが、その前に途中で見つけたコイン洗車場でボクスターを洗った。
全体的な泥汚れだけでなく、フロント部に夥しくへばりついたバッタ類の残骸をとにかく洗い流したかったのだ。
「水洗い5分間200円」は、地元埼玉の半額である。
概ねキレイになったところでリスタート、網走湖近くの宿に到着した。
一泊、2,000円(税込)。
「呼人旅館」は、昭和の香りが炸裂する強烈な安宿である。
じゃらんnetにも掲載されており、以前からその存在を知ってはいたのだが、あまりの安さに一度泊まってみたいと思っていたのだ。
外観も部屋も布団もボロだが(失礼)、風呂やトイレはリニューアルしたらしくピカピカで、値段を考えトータルで見ればそんなに悪くない。
宿を経営しているのは、隣にあるこれまた旧い食堂の「松尾ジンギスカン呼人支店」。
管理人のおばちゃん曰く、呼人旅館は数十年前、蒸気機関車を目当てに全国からやってくる鉄道ファンを相手に一泊1,000円で開業したのだそうだ。
そんな話を聞きながら独り中ジョッキ片手につつくシンプルなジンギスカン鍋は、また格別であった。
(つづく)
サロベツの広い空は、期待とは裏腹に一面の雲に覆われている。
昨日夕刻に宿の庭から見えていた利尻富士は、もはやまったく見えなくなっていた。
朝飯を喰ってチェック・アウト。
気温は20℃に達せず、長袖のシャツを着てボクスターの屋根を開けた。
D106/オロロンラインを北上。
天気はイマイチだが、最果てへと続いているこの道はやはり素晴らしいのひとことだ。
8月中旬とは思えない冷たい風を浴び、6速ギアで走り続けた。
稚内が近づくと空は明るくなり、太陽が時折顔を出す。
市内を抜けてR238を走り、D899で宗谷丘陵を経由して宗谷岬に立った。
海をバックに草原のなかを再び丘陵へと駆け上がり、そのままD899をトレース。
この道は以前も走っているが、山の中の気持ちいいワインディングなのに誰もいない・・・いや、鹿がいた(汗)。
D1077を経由してオホーツク海に出、R238で南下を開始する。
荒涼としたストレートをひたすら走り続け、町道エサヌカ線に入った。
地平線に消えるアスファルトはアホほどまっすぐかつまっ平らで、走っているうちに感覚がおかしくなってきそうだ。
こんな非日常的な道が存在するのも、北海道ならではであろう。
海沿いのR238は単調なので、浜頓別からR275で内陸に入る。
中頓別で左折し、怒濤の道道ドライビングが始まった。
地図を見ると、D120を皮切りに幹線道路を殆ど使わず南へひたすらトレースできるラインが見えてくる。
前回ALPINA B3でも走ったルートを、更に延伸しボクスターで行くのだ。
D120→D49→D60、合計120km。
いずれも完全な2車線路、アスファルトはところどころ大きくうねったりしているが、通るクルマも無い山間のロング・ハイスピード・ワインディング・ロードである。
ワインディングと言っても北海道のそれだから、ギア・ダウンはせいぜい4速までで事足りる。
目を瞠るような景色も何も無い、とにかくひたすらクルマと向き合って走り続ける道なのだ。
マイナーにも程があるルートだが、ドライビングの好きな貴兄には是非とも一度走っていただきたいと思う。
走りまくっているうちに腹が減り、前が見えなくなるほどの土砂降りを抜けて下川の町で昼飯処を探す。
「美花夢[びかむ]」はアットホームなショップ・カフェだが、町内産のブランド小麦「はるゆたか」を使ったパンや食事を出すとのことで立ち寄ってみた。
鳥の辛味噌焼きと混ぜて喰うというおもしろいアイディアのうどんは、モチモチしてとても旨かった。
雨のR239を東に走るが、海にはまだ出ずにD137で南東に向かう。
この道道もまた交通量絶無、遠軽までの55kmをボクスターと共にひた走った。
D244でサロマ湖まで出て、R238を走る。
夕刻近くとなり、このまま網走市郊外の宿を目指すが、その前に途中で見つけたコイン洗車場でボクスターを洗った。
全体的な泥汚れだけでなく、フロント部に夥しくへばりついたバッタ類の残骸をとにかく洗い流したかったのだ。
「水洗い5分間200円」は、地元埼玉の半額である。
概ねキレイになったところでリスタート、網走湖近くの宿に到着した。
一泊、2,000円(税込)。
「呼人旅館」は、昭和の香りが炸裂する強烈な安宿である。
じゃらんnetにも掲載されており、以前からその存在を知ってはいたのだが、あまりの安さに一度泊まってみたいと思っていたのだ。
外観も部屋も布団もボロだが(失礼)、風呂やトイレはリニューアルしたらしくピカピカで、値段を考えトータルで見ればそんなに悪くない。
宿を経営しているのは、隣にあるこれまた旧い食堂の「松尾ジンギスカン呼人支店」。
管理人のおばちゃん曰く、呼人旅館は数十年前、蒸気機関車を目当てに全国からやってくる鉄道ファンを相手に一泊1,000円で開業したのだそうだ。
そんな話を聞きながら独り中ジョッキ片手につつくシンプルなジンギスカン鍋は、また格別であった。
(つづく)
2015-08-30 23:06
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コメント(6)
こんばんは。
怒涛の道々ドライビング、私も大好きです。
今年も箱替えしたTTで走ろうと目論んでいたのですが、諸般の事情により断念せざるを得ませんでした。来年のリベンジを固く誓いました。
あの爽快ドライブの代償が大量のバッタというのはやむを得ないと理解しつつも、何とかならないかとその度に思います。
by ていしあ (2015-08-31 23:11)
北海道 いいですね 町道エサヌカ線、恒例の・・に期待・・です
by かめ2号allrad (2015-09-01 21:08)
ていしあさん、こんにちは。
北海道へは、毎年走りに行かれているんですね。
いや~、羨ましいです。
今回の道道ドライビング・ルートは、アウディ・TTRSのパフォーマンスを存分に楽しめると思いますので、来年は是非とも走ってみて下さいね。
バッタについては・・・そうですね、夏ではなく秋にするか、またはチンタラ走るぐらいしか、防ぐ方法は無いと思われます(汗)。
by wata (2015-09-01 21:54)
かめ2号allradさん、こんにちは。
エサヌカ線の真っ直ぐ&真っ平らな風景は、もう衝撃的なほどです。
「恒例の・・に期待・・です」の意味がわかりませんが、あまり期待なさらないで下さい(汗)。
by wata (2015-09-01 21:56)
wataさん、こんばんは。
自分も先日無事に?帰ってきました。
旅に出た際の宿探しは自分もだいたい「じゃらん」を利用しているので、「呼人旅館」は気になっていました。
by KG (2015-09-09 23:02)
KGさん、こんにちは。
お帰りなさい!
早速「みんカラ」をチェック、北海道へまっすぐ向かわずに北東北を爆走している旨の記事を拝見し、「やっぱし!」と大きく頷いた次第です(笑)。
ちなみに「呼人旅館」ですが、お勧めはしません。
もう一度泊まるか?と訊かれたら、答えに窮すると思います(汗)。
by wata (2015-09-10 20:18)