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ザ・グランド・ツーリング[7]石川県/能登半島発 [drive/touring]

■Day19

能登半島北部、柳田温泉。
朝風呂にどっぷりと浸かり、伸び放題だった髭を剃る。
朝露に濡れたボクスターを拭き上げて、イグニッション・キーを捻った。

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K26の沿道は、緑濃いニッポンの田園風景。
小休止を挟みつつ、快走が続く。
R249で海岸線に出、K257→K47と能登島をぐるっと周遊。
2車線の快走路を、豪快に走った。
富山湾に沿って南下するR160、今日は対岸の立山連峰が霞んで見えないのが残念だが、素晴らしいシーサイド・クルージングが堪能できる。
並行するバイパス道路ができたようで、そのために交通量も少ないのだろう。

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能登半島を出てR472を南に走り、ツーリングマップルの情報を頼りに砺波の散居村を見に行く。
これまた少々霞んではいたものの、一度見てみたいと思っていた独特な農村風景を、実際にこの目で見ることができた。
空腹を抱えてR359を富山方面に向かっているうちに、そう言えば「富山ブラック」なるご当地ラーメンがあることに思い至る。
で、ラーメン屋「大喜21」に入って中華そばを頼むと、ギンギンに黒いスープのラーメンが出てきた。
見た目通りかなりの濃い味で、ごはんのおかずにピッタリだと思う。
ちなみに私は不覚にも、そのしょっぱいスープを全て飲み干すことができなかった(涙)。

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市街地をのんびりと走り、これまたツーリングマップルでリコメンドされている広域農道を東へ走る。
交通量もそれなりにあって走り的にはいまひとつだったが、ここへ来てようやく残雪の立山連峰がその姿を現してくれるようになった。
さて、今日はこれからどこへ行こう。

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私が勤める会社の新潟オフィスに、クルマ好きのK君がいる。
一度ボクスターを見せてほしい、と言われていたことを思い出して電話してみると、「マジですか?」
と言うことで新潟まで会いに行くこととし、北陸自動車道をひた走った。
市内に入り、新潟スタジアムの駐車場で落ち合ったK君、早速ボクスターを試運転するが、ギア・シフトがうまくいかずにエンスト寸前(笑)。
助手席に乗ってもらい、夕刻の新潟市内をドライブしたところ、オープン・エアの魅力にすっかり参ってしまったようだ。

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「アパホテル新潟東中通」にチェック・インした後、もう一人の後輩も呼んで3人で飲んだ。
久しぶりに人と食事ができて、妙に嬉しい49歳。
ホンダ・S660がいいなぁと言っていたK君は、今日のドライブで買うことを決意したらしい(笑)。
近いうちにホンダのディーラーへ行くとのことだが、S660は納車までなんと約1年もかかるのだそうだ。
ずいぶん先の話となりそうではあるものの、納車されたら2台でオープン・ドライブに行こうと約束をした。

二人と別れてホテルへと歩きながら、ふと思う。
ここ新潟から埼玉の自宅まではわずか300km強、3時間少々で帰宅できてしまうのだ。
そうか、ずいぶん戻ってきたんだなぁ・・・。


■Day20

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朝7時、サービスの朝飯を喰って新潟市内のホテルを出る。
今日も快晴、素晴らしいドライブになりそうだ。
市街地を出て、日本海東北自動車道の無料区間などを使いながら北上。
村上からは、潮の香りを感じながらR345で日本海に沿って走った。

そう、今日からグランド・ツーリングは東北を走ることにしたのだ。
ちなみに昨日、富山で本屋に立ち寄って、ツーリングマップル東北2015を購入済み。
2013年度版を所有してはいるのだが、まさか今回のGTで東北を走ることになるとは想定すらしていなかったので、躊躇無く自宅に置いてきたのである。
しばらく天気も良さそうなので、10月に走らなかったルートでみちのくを周ってみようと思う。
・・・しかし、まだ走るのかよ(笑)。

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海沿いも少々飽きてきたので、鼠ヶ関からR345と共に内陸部へと向かう。
狭隘区間を抜け、山間の2車線路をマイペースで走り続けた。
鶴岡まで出ると、青空に聳える残雪の鳥海山が見えてくる。
北上するに従って大きくなるその姿は、やはり雄大で素晴らしい。
R7で山形県から秋田県に入り、K312で緑豊かな仁賀保高原を走る。
鳥海山をバックに淡々と回り続ける風力発電機の風景は、実に清々しいと思えた。

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高原を下って由利本荘まで出、R105沿いの道の駅「おおうち」の物産品販売コーナーで餅とパンを買い、畳の休憩スペースで遅い昼飯の代わりとする。
その先のK9は典型的なカントリー・ロードで、道も景色も良く交通量も少ない走り放題の道。
これまた、いかにもグランド・ツーリングな感じである。
R46を経て久々に訪れた角館の街は相変わらずいい雰囲気で、武家屋敷には緑が溢れて実に趣のある景観を成していた。

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傾き始めた太陽が眩しいR105をマイペースで北に走り、K60を経て田沢湖畔に到着。
青空を映す静かな湖面には、いつものようにたつこ姫が独り物思いに耽っている。
いや、今日も良く走った。
湖畔を軽く一周してから、宿へと向かおう。

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先ほど二食つきで予約した「田沢湖高原リゾートホテル ニュースカイ」の風呂は、湯の花が舞う素晴らしい温泉。
露天風呂にゆっくりと浸かってから、冷たい生ビールと共に夕食だ。
例によっていちばん安いプランとしたのだが、料理は味も量も文句なし。
和室の部屋も広く、手足を伸ばして存分に寛ぐことができた。
うむ、大いに満足じゃ(笑)。


■Day21

肌寒いくらいの田沢湖高原の朝。
空は青く、露天風呂が最高に気持ちいい。
ボクスターのフロントに大量にこびりついた虫を除去スプレーでキレイにし、朝飯をたっぷり喰ってチェック・アウト。
風呂も飯も値段も言うことなしの宿であった。

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まずはR341を北に走る。
交通量僅少、人家も信号も無い新緑の快走路を、屋根の無いボクスターが駆け抜けてゆく。
玉川温泉を過ぎ、K23/アスピーテラインで八幡平へのヒルクライムを開始した。
前回、10月にボクスターの慣らしで来た際は吹雪で通行止めだったため、今回はそのリベンジでもある。
1台のバイクがいい走りをしているのでそのテールを追い、一気に駆け上がった。
山頂付近はまだ雪の壁が残っており、緯度と標高の高さを感じさせる。
それにしてもこの道は、相変わらず景色も走りも素晴らしい。
今日のように、交通量が少なければなおさらだ。
岩手県側に下ってツーリングマップルを開くと、県道でも広域農道でもない山道がおすすめルートとなっており、「安比高原の豊かな自然を満喫!」とコメントがある。
走ってみると誰もいない緑の中をひたすら行く1.5車線路で、蝉の大合唱の中で確かに自然を満喫しまくった。

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今日は、下北半島まで行こうと思っている。
今回のGTで西は鹿児島まで行っているので、ここまで来たらもはや本州最北の地を踏まざるを得ないのだ(笑)。
R282をマイペースで東に走り、八戸自動車道に並走するK6で北に向かう。
しかし思ったよりも流れが悪く単調なため、我慢できずに二戸市の浄法寺ICから八戸市まで、距離にして六戸ほど(←距離か?)高速を使った。
三沢の街を抜け、原野の中をK170で走って道の駅「みさわ」に到着。
基地の街ということで力を入れているらしいハンバーガーを昼飯に喰ったが、バンズもパティも実に旨かった。
再び虫だらけとなったボクスターのフロント部をキレイにし、下北半島を目指す。
岩手県の二戸付近で26℃ほどもあった気温は18℃まで下がっており、同じ東北でも場所によって全然違うことを実感した。
半島東側のR338は、ひたすら北に延びる走り放題の道。
時折現れる前走車を極めて安全にブッコ抜きながら、ボクスターは矢のように走り続ける。
例によってこんなに走っていいのか?と不安になりつつK248をも快走、続くK6でもそのペースが衰えることはなかった。

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尻屋崎。
気温は13℃、吹きすさぶ強風で信じられないほど寒く、ボクスターのリア・トランクからジャンバーを引っ張り出して羽織った。
灯台のすぐ下までクルマで入ることはできなくなっていたが、この岬の風景は本当に素晴らしい。
寒立馬たちは、柵の中でそれぞれ草を食んでいる。
12日前、本土最南端の佐多岬に立った日の朝は、宮崎県の都井岬で御崎馬を見たのだった。
一度のGTで北と南の日本在来馬を見ることになろうとは、まったく想像もしていなかった。
何やってんだ、オレ(笑)。

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K6でむつの市街地まで走り、「プラザホテルむつ」にチェック・イン。
今回のGTで三度目、かつ最後となるであろう洗濯を実施した。
面倒ではあるが、さすがに洗濯物のパンツやシャツの中から程度の良さそうなものを選んで再着・・・というワケにはいかないのだ。
晩飯は普通に定食などを喰いたいと思っていたら、ホテルから歩いてすぐのところにその名も「駅前食堂」という店がある。
こってりラーメンとスタミナ丼を選んだミニミニセットはちっともミニミニではなく、十分腹いっぱいになるボリューム。
いずれもとても旨かったのだが、どちらか一方をもう少しさっぱりしたものにすれば良かったかもしれない。
そう、もう若くはないのだから(涙)。

(つづく)



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じゅーじ

おわ!
今回は壮大なスケールですね@@
ブログにupされた写真が鹿児島くらいだったんで・・・
まさかこっから続きがあるとは
只々驚愕です^^;

wataさん、次回は日本飛び出しちゃうんじゃないですかΣ(゚д゚lll)
by じゅーじ (2015-06-13 00:05) 

タッチ

お疲れ様です。
かつて、「ディスカバージャパン」なんて言葉が流行した時に、「国鉄全線乗車」を成し遂げて話題になる方が居ましたが、平成も四半世紀を過ぎ、極めて短期間で離島を除き、周遊を成し遂げるwataさんに感服しています。単純に乗り物や旅が好きなだけでは、この域の到達する事はなかなか出来ませんよ。だって、このブログだって、投稿寄稿の常連さんや、私のように時々投稿のゲストばかりか、実際には恐らくサイレントリーな読者の皆さんが大多数であって、しかも全国からアクセスされているはずですが、こーゆー人が実際に日本国内に存在する事実にスゲーナーと思っているはずです。業界から何かしらのオファーが来ても良いくらいですよ。マジで。ポルシェジャパンやミツワにアプローチされてはどうですか? コラボで面白い企画ができるかもしれません。蛇足ですが、悲惨な事故にはくれぐれもご注意を。
by タッチ (2015-06-13 00:25) 

tetsu

お疲れ様です。新潟にも行かれましたか。私も一年と二か月前まで新潟勤務でした。懐かしいです。ところで、新潟にも富山ブラック的なラーメンがあるんですよ。中田製作所。何を制作しているのでしょう。
by tetsu (2015-06-13 20:35) 

wata

じゅーじさん、こんにちは。

そうですね、何だかよくわからないうちに青森まで来てしまいました。
旅もそろそろ終わりますので、もう少しだけおつきあいいただけると幸いです。
ちなみに私、海外旅行はあまり好きではないので、行きません(笑)。

by wata (2015-06-13 22:00) 

wata

タッチさん、こんにちは。

いやいやいやいや、国鉄全線乗車の偉業と私の無計画なツーリングとを同一のパラグラフに収めてはいけません。
「業界から何かしらのオファー」の意味がサッパリわかりませんけど、私ゃ単純にクルマ旅が好きで走ってるだけですから(笑)。
そんな私が書いている何の生産性もないBlogですが、タッチさんを始め大勢の皆さんにご覧いただき、いつも本当にありがたいと思っています。
仰るとおり、これからも安全第一で走りますよ!

by wata (2015-06-13 22:00) 

wata

tetsuさん、こんにちは。

今回、新潟は市内に一泊して飲んだだけですが、いずれ改めてゆっくり走りに行こうと思っているところです。
海も山も、いい道がたくさんありそうですもんね。
それと、新潟には旨いラーメン屋がたくさんあるとも聞きました。
ブラック系は、私にはしょっぱすぎるんですけどね(涙)。

by wata (2015-06-13 22:00) 

Shima

”二戸市から八戸市まで、距離にして六戸ほど(←距離か?)”
もはや新し距離の概念でいいかと思いますが。。。
by Shima (2015-06-14 17:31) 

katsupon

能登半島からは、帰途につくのかと思いきやまさかの下北半島まで行くとは! もう、びっくりです。もはやグランドツーリングと言うよりグレートツーリングと言って良いと思います。
by katsupon (2015-06-14 20:46) 

wata

Shimaさん、こんにちは。

いや、そもそも「八戸ICから九戸ICまで1戸分高速を使い・・・」とか言ってたのは、Shimaさんじゃないですか。
http://whiteisland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
それは距離の単位では無い・・・と言いつつ自分も使ってしまいましたが、そもそも1戸って何kmなんでしょうかね?(←距離じゃないってば)

by wata (2015-06-14 21:11) 

wata

katsuponさん、こんにちは。

そうですね、私もまさか東北を走ることになるとは、まったく予想すらしていませんでしたよ。
なので、余計な出費(=ツーリングマップル東北版購入)をしてしまった次第です(涙)。
もちろん、「グレート」と言えるほど偉大なことは何ひとつしておりませんので、その旨ご了承下さい(伏)。

by wata (2015-06-14 21:18) 

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